歩こ、歩こ
森の奥まで 遠い森まで
行こう、行こう
川の奥まで 遠い底まで

少女が歌う
少年は楽しそうに眺める

なのに、村の人間はその2人に石を投げる
2人は双子だった
忌み子だった

悲しい、苦しい
双子はそんな事しか頭に無かった
まだ幼い2人にそんな事を思わせる村人
そんなのどちらが悪いか、一目瞭然である

でも、それは今の話で
遠い昔は双子を忌み嫌っていた

ある日、禁止された森の中に入った
曇った昼間だった
村人は見ていようとも止めやしなかった
邪魔だったから、要らなかったから
どうでもよかったから

森へ入って右に曲がると、
大きな家があった

コンコン

2人は訪ねる

はぁい

中から若い女性の声が聞こえ、2人は顔を合わす

ねぇ、どうする？どうする？
人がいるよ、どうする？どうする？

ガチャ

中から女性が出てきてしまった

あらいらっしゃい

女性は微笑んだ

2人はまた顔を合した

大丈夫だね
大丈夫だね

さぁ、中にいらっしゃい

招いた女性は魔女だった
魔女だからと差別された自分と
双子だからと差別されている2人を重ねて
放ってはおけなかった

3人は仲良く暮らした
それはもう、石を投げられた事なんて忘れるくらい
幸せな毎日だった

そんなある日、女性の元に手紙が届いた
女性は震えた
悲しかったから、嫌だったから

女性は双子を逃がした
恐れるべき人間から
双子に百年繰り返す度に生まれれる
甘美な魔法を掛けた

案の定双子は殺されてしまった

百年が経ってまた双子は生まれ、殺される
そのまた百年経って双子は生まれ、また殺される

双子は魔女を憎んだ

それは間違いであったのか
双子はまだ知らない

魔女はただ、＿＿＿＿