第14話

第3章 恐怖の"カグツチ" 4
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2020/06/05 08:30
ヒヤはツツと共にホテル内の警備室にいた。

ツツ自慢の空手で数名の警備員を一気に制圧し、今は部屋の隅に猿轡を噛ませ、両手足を縛った状態で放置されている。
ツツ
ツツ
これから俺たちどうするんだ?
力だけが取り柄のツツは椅子に座って、ただ目の前に無数にあるモニターをボーッと眺めていた。
ヒヤ
ヒヤ
とりあえずカグツチ様から指示があるまでは待機よ。
落ち着いた声色でヒヤが答える。

その直後、2人のポケットでスマホが通知音を鳴らした。
ヒヤ
ヒヤ
カグツチ様からだわ!!!
ヒヤは声色を明るくすると、スマホをポケットから取り出し、メッセージアプリを開いた。

『https://kaguchi .jp/』
例の如く、新着メッセージの青く表示されたURLをタップすると、スマホのディスプレイはウェブブラウザに切り替わり、炎の背景にポップアップが表示された。

『●●●●●●●●●』

パスワードを入力すると、さっきまで表示されていたポップアップが消え、炎の奥から人影が現れた。
ツツ
ツツ
カグツチ様……。
ヒヤ
ヒヤ
カグツチ様……。
言葉を失う2人をよそに、カグツチは紅い文字を並べ始めた。
カグツチ
カグツチ
作戦の進捗状況を伝えろ。
イワ
イワ
はい、私とネクはホテル内への侵入に成功し、現在70階のVIP専用の客室にて待機しています。
黒い文字の報告が終わると、次はヒヤが報告を始める。
ヒヤ
ヒヤ
私とツツは、ホテルの警備室の制圧に成功しました。これでいつでも行動を起こせます。
ヒヤも続いて報告を終えると、最後に緑色の文字が報告を始めた。
タケ
タケ
僕も69階に爆弾設置し終わりました。
カグツチ
カグツチ
ご苦労だった。作戦の決行はホテル内の人間ほぼ全員がレストランに集まる午後6時だ。心してかかれ!!!
こちらが返事をする間もなく、炎の奥に人影は消えてしまった。

スマホをポケットにしまうと、ヒヤとツツはお互いに目を合わせた。
ヒヤ
ヒヤ
本当に大丈夫よね?
ヒヤが不安げな表情を浮かべる。
ツツ
ツツ
大丈夫。カグツチ様の言う通りにすれば俺たちは必ず救われるから。
ツツはヒヤを抱くと、自分の胸に顔を埋めるヒヤの頭を優しく撫でた。
ヒヤ
ヒヤ
愛してる。
ツツ
ツツ
僕もだよ。
2人は互いに言葉を交わすと、唇と唇を重ねた。


































ヒヤ
ヒヤ
はっ!!!
ふと我に帰ったヒヤが顔を真っ赤にして部屋の隅を見る。

すっかり忘れていたが、この警備室には自由を奪われた数名の警備員がいたのだ。
ツツ
ツツ
やばいとこ見られちゃったね
ツツも赤面してヒヤに微笑みかけた。
ヒヤ
ヒヤ
そうね……。

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