第94話

308
2023/01/13 12:43
 



  そうだ、外に出よう。


大森 元貴
 …、 

  、と思ったものの、気力がない。

  部屋はカーテンで締め切ってある、

  開けようかな、
大森 元貴
 ぇ、 



  カーテンを開けたそこには

  綺麗な空など愚か、

  僕が知っている景色など、どこにも無い。


  そもそも、いつも見てる景色って

  どんなだっけ



  ここはどこ…

  僕は、何故ここにいるの?



辻井 あなた
 あー、気付いちゃった? 



大森 元貴
 、!!あなた! 
大森 元貴
 え、ぁ、あなたさん、? 
辻井 あなた
 、驚いた、私の名前覚えてるんだ 
辻井 あなた
 ま、いいや 
辻井 あなた
 元貴くん、ここは現実世界じゃないよ 
大森 元貴
 ここはどこなの、? 
辻井 あなた
 まあ、夢ではないよ、 
大森 元貴
 じゃあなんなの? 
辻井 あなた
 元貴くんの意識内かな? 
大森 元貴
 、ますますわかんなくなった 
辻井 あなた
 私もなんでここに
貴方がいるのかわかんないよ、
辻井 あなた
 …、ってことは、
滉斗の存在とかわかんないのか
大森 元貴
 …ん〜、さっき若井って人の名前が浮かんだ
んだけど、思い出せないって言うか、
喉まで来てるんだけど……
辻井 あなた
 、ま、ここに来たら、本来は
一番大切な人の名前しか浮かばないからね
大森 元貴
 、え、誰も浮かばないんだけど、僕 
大切な人居ないってこと?
辻井 あなた
 、笑 
辻井 あなた
 まあいいや、 
辻井 あなた
 それで、貴方は現実世界に戻りたい? 
大森 元貴
 、ああ、うん、
なんだけど、戻るのが何故か怖くて、
辻井 あなた
 そ、まあ無理に戻れとは言わないし
むしろ、まだちょっとここに居てよ、
大森 元貴
 あ、うん、
大森 元貴
 なんかやるべき事があった気が 
するんだけどな…笑
大森 元貴
 なんか記憶がモヤッとしてるや、 
辻井 あなた
 そう、記憶、戻るといいね 
大森 元貴
 うん 





プリ小説オーディオドラマ