そっと目を開けようとおもったけど
どうやらメンバーが揃ってるみたいで
どんな話をしてるのか気になって
耳を傾ける
ていうか、若井が僕の手掴んでる
…え待って
涼ちゃんがいきなり僕に抱きつく
綾華も、高野も
そう言いながらも、
心に何か温かいモノを感じる。
病室の窓を見る。
若井が、カーテンを開けると
そこには雲ひとつない空が広がっていて
鳥も数羽見える
____
ま、返答があるはず無いんだけど
…やっぱり、辛い
逃げたい、現実逃避したい。
笑い合いたい、抱きしめ合いたい。
もう一度、名前を呼んで欲しい。
僕の大好きな笑顔で、
元貴って、
何かあったの?って、
いつもみたいに背中を撫でて欲しい。
反応しないあなたの右手を握って
涙が止まらない
迎えに行くって行ったけど
どうやってそっちにいけるかわかんない。
そうなんでしょ、?
あなたが居るのは、生死をさ迷ってる人達が
集まる場所
ならば僕もそこへ行けばいい。
…ガタッ
病室にあった額縁がいきなり
壁から落ちてきた。
僕はあなたに微笑みかける
我を取り戻す。
そうじゃんか、あなたは
そんなこと、望んでいないんだ。
あなたが望んでるのは、
この世界でのこと。
そんなことを考えていると
いつの間にか、あなたの手を握りながら
僕は眠りに落ちた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。