僕の隣で、彼女が笑う。
僕はそんな彼女を抱き寄せて
一緒に布団に入る。
あれ…
この感じ、体験したことある。
デジャヴ??
僕もあなたも笑顔
あなた、
…、心臓がドクドクと鼓動を早める
そうだ、
辻井あなたは、僕の愛してやまない彼女。
若井、
僕の大切な親友
涼ちゃん、綾華、清宗
僕の中のパズルのピースが
全部全部はまっていく。
、!!
この日、
僕とあなたは交通事故に会うんだ。
やめて、繰り返したくない。
ここから逃げ出したい!!
気付くと幸せな夢から覚めて
いつもの白い空間にあなたとふたり
「 記憶、戻ったんだ 」と、静かに呟くあなた
頭の中で若井が僕に手を差し出してくれている。
ちょっと前からだ、
この手に応じると、きっと
僕は、現実世界で目覚める。
此処から出られる、
それはなんでかって言うと
僕は命に別状はないから、
精神的な問題で此処に来てしまった訳なんだ。
でも彼女は違う。
彼女はきっと、僕が目覚めた現実世界で
あの日と変わらず静かに眠ったままなのだろう
此処…
というより、
きっと此処はあなたの意識内。
僕はそっと彼女を抱き寄せる。
温かさは感じない。
此処に来て初めてあなたに触った。
いつものように笑い合う。
僕は若井の声に応じる
待っててね、
僕は絶対にあなたとの未来を掴むから
白い世界で、一人の女性が
寂しげにクスりと笑った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。