第5話

両想い
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2018/03/22 01:26
《テオくんside》




テオくん
…じんたんのことが、好き





言ってしまった。





いや、





俺が故意的に言った。





もう伝えるしかないと思ったから。





今の関係はどうなるとか





スカイピースが壊れてしまうとか





そんなのもうどうでもよくて。





気まずいからスカイピース辞めたいとか言い出しても
俺は絶対に引き止める気しかないし。





強がって見つめていたiPhoneから目を離し
じんたんの方へと向ける。





と、




テオくん
泣いてる、の?





その涙は、なんの涙?





信じちゃってもいい涙?





それとも、駄目な涙?





じんたんの泣き顔は毎回強がるような顔で





そして、





綺麗だった。




☆イニ☆
…信じて、い?





その承認を求めるような問いに
俺の心が少しずつ満たされていくのを感じる。





そんなにびっくりしなかったのは何故だろうか。





俺にはそんなに自信がなかったはずなのに。





叶うはずの恋じゃなかったのに。




テオくん
…もし俺と同じ想いなら。





俺がそう言うと
じんたんは袖を引っ張って顔を覆った。





もう、いいよね?





気持ちが通じ合ってるって信じても。





俯いて縮こまって
いつもより小さくなっているじんたんを
俺の腕の中に収める。





そうするとじんたんは、頭を俺の胸に預けてきた。





こういうとこ、本当に甘え上手だ。




テオくん
…返事欲しいな、俺





もう分かっている。





俺はそんなに鈍感じゃないから。





もう既に俺には余裕があった。




☆イニ☆
…俺も好き





ぼそ、と呟くじんたん。





その言葉を待ってたんだよ。




☆イニ☆
もう駄目かと思った、





珍しくじんたんが弱音を吐いた。





恋に臆病なじんたん。





俺が " 好き " と伝える直前
じんたん相当不安だったんだろうな、と
自分で考えて思わず笑ってしまう。





相方、という関係から





恋人、という関係になっただけで





その他はなんの変化もないのに





満たされてしまう。





人間は複雑に見えて、単純な生き物だ。




☆イニ☆
やっぱ嫌いとかやめてよ?





篭った声で訴える。




テオくん
大丈夫、俺が見てるのはじんたんだけ





これからの生活に " 光 " しか見えなくて。





せっかく恋が実ったんだから





俺らは幸せになれる、





いや、俺が幸せにする。





____この " 命 " が尽きるまで。

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