第6話

エメ
614
2018/03/25 02:03
《テオくんside》





あれから俺たちは
今まで以上に、更に関係が深くなっていった。





とは言っても恋人らしいことはしてないんだけど。




☆イニ☆
さ、撮ろ!





ただじんたんが俺のものになったっていうだけで
心がどんどん満たされていく。





" 君がいれば他には何もいらない "





そんな言葉なんて綺麗事だろ、って思ってたけど。





意外と本当の事なんだなって。




テオくん
なあじんたん、





俺がそういうと
照明をセットしていたじんたんが振り向く。




☆イニ☆
ん?何?





" 何? "





と言うよりかは、





" なぁに? "





に近いだろうか。





こんな些細なことだけで、可愛いと思ってしまう。




テオくん
俺今すっごい幸せ





こんなに幸せになって大丈夫だろうか?というほど。




☆イニ☆
俺もすっごい幸せだよ





ちょっと照れくさそうに笑う姿。





…少しは行動に移してみようかな、




テオくん
…じんた、





____ピリリリリリ、





名前を呼びかけた俺を遮って
じんたんのiPhoneが鳴り響いた。




☆イニ☆
あ、お母さんだ、





久しぶりの電話なのか、少し微笑んで応答している。





こうやって家族を大切にするところも
じんたんのいいところのひとつで。





でもしばらく待っていると
だんだんじんたんの表情が固くなっていった。





何かあったのだろうか。




☆イニ☆
…うん、分かった、





電話を切ったじんたんは
焦ったような、泣きそうな顔をしていた。




テオくん
…どうしたの?





なるべく傷つけないように、慎重に。




☆イニ☆
…お父さんが倒れた、





口に出してしまうともう駄目なのか
だんだん目が潤んでいくじんたん。




テオくん
え、早く病院行かないとっ、





カメラを切って
じんたんがすぐ出られるように準備をする。





でもじんたんはなかなか動かなくて。





.




☆イニ☆
…もう息、戻らないらしい、

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