第7話

正体
107
2020/01/06 13:04
鳳瑞蓮
ここか?
季羽林檎
そう
俺たちが着いたところは宿の裏庭のような所にある墓地だった
赤羽空翔
もうやだよぉ…
季羽林檎
ここで出たって言う人達が沢山いるの
鳳瑞蓮
そうか…もう少し近くに行ってみよう
赤羽空翔
ねぇ
季羽林檎
危なくない?
鳳瑞蓮
何かあれば俺が守る(決まった…‪( ◜௰◝ )‬
季羽林檎
そ、そう
鳳瑞蓮
行くぞ
赤羽空翔
ち、ちょっとぉ!俺の事ほおって置かないでよぉぉ!怖いよおおおぉぉ……ヽ(д`ヽ)
鳳瑞蓮
(ん?何だこれ)
俺は墓の前に埋まっている何かを掘り出した
鳳瑞蓮
(っ!!)
赤羽空翔
ねぇ蓮、そんなに青ざめて何?怖いんだけど…やめ…
赤羽空翔
うわあああああああ!!!!!
季羽林檎
な、何!?どうしたの?
空翔の声に驚き林檎も蓮と空翔の方へ行った
季羽林檎
何かあったの?
鳳瑞蓮
なぁ林檎。1つ聞きたいことがあるんだが…
季羽林檎
何?
鳳瑞蓮
お前、お母さんの事、好きか?
季羽林檎
何言ってんの?大好きに決まってんじゃん。それがどうかしたの?
鳳瑞蓮
そうか…
墓の前に埋まっていたもの…それは"骸骨"だったのだ。そして、墓に掘られていた名前は、"季羽優子"。きっと林檎のお母さんの名前だ
鳳瑞蓮
お母さんは…死んだんだろ?
季羽林檎
っ!何でそれを…
鳳瑞蓮
正直に言ってくれ。お前の母親は死んだんだろ?だから今はお前のおばあちゃんと暮らしている。そうだろ?
季羽林檎
ど、何処にそんな証拠が
鳳瑞蓮
もしも違うなら…お前のおばあちゃんとやらを退治しないとな
季羽林檎
は!?何でそうなるの!?
赤羽空翔
だって、ここの墓に掘ってある名前、季羽だよ?林檎と同じ苗字
季羽林檎
それとおばあちゃんは関係ないじゃない
鳳瑞蓮
いやあるな。お前の母親が違うなら、同じ苗字のおばあちゃんを疑うのが普通だ。だが、お前のおばちゃんには服に名前が書いてあった。季羽美津子ってな。
季羽林檎
それだけでわかるはず…
鳳瑞蓮
そしてこの骸骨の横にあったのが、お前、林檎の日記だ。
季羽林檎
っ!
鳳瑞蓮
優子という人をお母さんと書いている。お前は母親が死んで骸骨が埋められたところをもう一度掘り返して、この日記を入れた。この日記の内容を母親に見せるために。だが、骸骨がちゃんと埋まってなかったんだな。母親は成仏出来ずにさ迷っているって事だ
季羽林檎
…そうよ。きっとお母さんは私を怒ってる…
━━━━━━━━━━━━━━━💭💭💭
季羽林檎
お母さん!
季羽優子
どうしたの?
季羽林檎
明日、私の参観日だよ!来てくれるよね!
季羽優子
…ごめんなさい林檎。明日はお仕事があってね…会議って言うのがあるから行けないの。ごめんなさい
知ってた。お父さんと離婚してから毎日毎日私のために頑張って朝から晩まで仕事をしてるの。でもあの時は、本当に来て欲しかった。だってあの日は…
季羽林檎
…何で…
季羽優子
季羽林檎
何でお母さんはいっつもお仕事優先なの!?私の事なんてどうせ何とも思ってないんでしょ!?
季羽優子
違うの林檎!お母さんは本当に…
季羽林檎
前もこの前も1度も来たことないくせに。もういい!
季羽優子
林檎!!
今なら分かる。お母さんは辛い思いをしながら、私を大事に育ててくれてたって…でもあの時の私は、お母さんに酷いことを言った…
季羽林檎
(何でいつもお仕事ばっかり…今日は来て欲しかったのに…もうお母さんなんて知らない)
季羽優子
林檎、ご飯は食べて行かないの?
季羽林檎
…(ほおっておいてよ。私なんてどうでもいいくせに)
違う。お母さんは無理して私に笑ってくれてた。何で分からなかったの?
季羽優子
林檎…
キーンコーンカーンコーン
先生
ではみなさん、今日は大切な人について、と言うめあてです!作文は書いてきましたか?
生徒
書きましたー!
先生
いい返事ですね!では、列ごとに書いている内容を言っていきましょう。初めに、そこの君!
生徒
はーい!僕はお母さんに書きました!
生徒
僕のお母さんはすごく優しいです。ご飯は凄く美味しいです!それで…
季羽林檎
生徒
これで終わります
やだねぇ。
良いじゃないの。(*´ω`*)
先生
凄く良かったですね!えーとじゃあ次は、林檎ちゃん!
季羽林檎
っ…はい。
季羽林檎
わ、私も、お母さんの事を書きました。私のお母さんは…
先生
り、林檎ちゃん!
季羽林檎
はい?(そんなに急いでどうかしたの?)
先生
じ、実はね、焦らずに聞いて欲しいの。今さっき、お母さんが、交通事故で病院へ運ばれたの
季羽林檎
お、お母さんが!?
先生
えぇ、だから、先生が病院まで送るから、お母さんに会って欲しいの。
季羽林檎
わ、わかりました!
そうだった。私が言い出そうとした時に、お母さんが事故をしたって聞いたんだっけ。
先生
ここにお母さんがいるわ!はやく行ってあげて!
季羽林檎
はい!(お母さん…!)
看護師
あっ!季羽さんですか?
季羽林檎
え、はい!
看護師
よかった。お母さんの事なんですけど、まだ意識が戻らないんです。
季羽林檎
どう言う…
看護師
林檎ちゃんのお母さんがお仕事をしていた人に話を聞いたら、お母さんが林檎ちゃんの参観日に間に合うように急いで仕事を終わらせたらしいの。それで、林檎ちゃんの学校に行く途中に、事故にあったの。
季羽林檎
そんな…
ここで初めて気づいた。お母さんが私の事をちゃんと思ってくれてるって。
季羽林檎
(私の…せいで…お母さん…)
看護師
泣かないで、きっと意識は戻る。信じよう?
季羽林檎
それから数時間後、お母さんは息を引き取った
季羽林檎
(私のせいだ…)
それで、本当はお母さんに伝えたかった事とかを日記に書いて埋めたんだっけ…
季羽林檎
ごめんなさい…お母さん…。
💭💭💭━━━━━━━━━━━━━━━
鳳瑞蓮
思い出したのか?
季羽林檎
えぇ、全部ね…
鳳瑞蓮
なら、どうやってお前の母親を成仏させるか…だな。
季羽林檎
(お母…さん)
鳳瑞蓮

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