第8話

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20
2021/08/04 10:33
徹矢
徹矢
・・・・
香里
香里
ねぇ、悟・・・
聞いてる?
悟
ハイハイ・・・わかったよ。行こうよ、その店・・・
仲睦まじく、出てきた二人・・・
悟
あれ?徹矢は、帰らないのか?
徹矢
徹矢
ただの夫婦喧嘩だったんだよなぁ~・・・・
香里
香里
ふ、夫婦だなんてわたしたちまだ、大学生だし・・・
徹矢
徹矢
良かったな、香里・・気持ちが通じて・・・・
絵里香
絵里香
だよね~
美鈴
美鈴
うん!そうなの
さくら
それすごい!
香里
香里
ありがとう、徹矢君・・・
でも、わたし、あの子に謝らなきゃ・・・
美鈴
美鈴
香里先輩に、渡すものが・・・
あの子がわたしにくれたもの・・・
だからこそ、気持ちが通じあった・・・
香里
香里
悟・・・わたし、あの子に謝ってくる・・・
悟
あの子って・・・
美鈴ちゃん?
美鈴
美鈴
この写真の悟先輩は・・・香里先輩を、ずっと見てます・・・
香里
香里
あの子は・・・悟のことを好きだったのに・・・
美鈴
美鈴
・・・良かったですね
悟
・・・・・わかった。待ってる・・・
行ってきていいよ
香里
香里
ありがとう
美鈴
美鈴
・・・・・
わたしの目の前に、なぜか走って現れたのは・・・
香里
香里
ハァハァ・・・
美鈴ちゃん!
美鈴
美鈴
えっ?香里先輩?
絵里香
絵里香
私たち、先にいってるね
さくら
いつものカフェで待ってるから
美鈴
美鈴
・・・うん・・・
香里
香里
話があるの・・・
美鈴
美鈴
・・・・はい・・・
香里
香里
さっきは、本当にごめんなさい!
あなたが悟と付き合ってしまうんじゃないかって・・・
徹矢たちの取り巻きたちにも・・・あなたが、悟と二股かけてるとか・・・吹き込まれて
美鈴
美鈴
・・・・やっぱり・・・。
そんなわけないです。
香里
香里
徹矢とも仲良いから、その子たちの嘘も信じちゃって・・・
ただの嫉妬なのに・・・
美鈴
美鈴
そんな・・・
紛らわしい態度をしていたわたしも悪いんです・・・
徹矢先輩のことは、誤解ですけど・・・・
香里
香里
あなたは悟を、好きだったと聞いたから・・・
美鈴
美鈴
好き・・・というか・・・・初恋の人ににてるというか・・・
香里
香里
それでも、あなたはわたしの気持ちを1番わかる人だったのに・・・・
美鈴
美鈴
・・・
香里
香里
美咲の大事な妹を傷つけるところだった・・・
美鈴
美鈴
(なるほど・・・美咲ちゃんの友達は、香里先輩だったんだ)
先輩・・・本当に、よかったですね
香里
香里
・・・・・
美鈴
美鈴
末長くお幸せに!
香里
香里
ありがとう。
あの・・・これからも、写真・・・
撮って
美鈴
美鈴
えっ?・・・いいんですか?
香里
香里
彼らは、きっと全国にいく。
あなたの写真が、必要なの
美鈴
美鈴
・・・はい。わたしも信じてます。
これからも、撮ります!
わたしでよければ・・・
香里
香里
よろしくね
そう言って笑う香里先輩の笑顔は綺麗だった。
しばらくして・・
香里
香里
悟!ごめんね、待たせて
悟
いいよ。じゃあ、帰るか
そう言って手を繋いで帰る先輩たち。

美鈴
美鈴
・・・・・
徹矢
徹矢
あれ?1人か?友達は?
美鈴
美鈴
恵里香たちは、先にいってるから・・・
徹矢
徹矢
ふ~ん・・・
美鈴
美鈴
じゃあ・・・
徹矢
徹矢
えっ?(気のせいか?あいつ・・・笑ってる・・・さっきまで泣いていたのに・・・)
めぐみ
めぐみ
へぇー・・・
笑顔見せてくれるようになったんだね・・あの子
徹矢
徹矢
め、めぐみ・・
なんでいつもいきなり現れる・・・(調子狂う)
めぐみ
めぐみ
徹矢君のその顔も久しぶりに見たかも
徹矢
徹矢
き、気のせいだろ・・・
めぐみ
めぐみ
なんでそんなに冷たくなったの?
徹矢
徹矢
・・・・
めぐみ
めぐみ
美咲じゃなかったから?
徹矢
徹矢
えっ?
なにが、美咲ちゃんじゃなかったんだろう・・・・
それは、後でわかることだった。
数日後・・・
どしゃ降りの雨・・・

ザァ~
美鈴
美鈴
あっ・・・花が・・・
徹矢
徹矢
あ・・・あいつなにやってんだよ・・
雨の中で、傘をさしてくれたのは・・・
美鈴
美鈴
・・・・!
徹矢
徹矢
なにやってんだよ。傘もささずに・・・
美鈴
美鈴
徹矢先輩・・・・
徹矢
徹矢
風邪を引いたらどうするんだよ
こんな雨の中、傘ささないやつは、いないだろ?
美鈴
美鈴
せっかく花が咲いたのに・・・濡れすぎたらダメになるから・・・植え替えようかなって・・・
徹矢
徹矢
それでも、お前が倒れたら美咲に迷惑かけるだろ?
美鈴
美鈴
・・・あはは。そうだね

くしゅん・・・
徹矢
徹矢
・・・送るよ・・・
美鈴
美鈴
大丈夫です。走って帰ります・・・
そう言って走って帰っていった美鈴・・・
徹矢
徹矢
・・・・・
美咲
美咲
美鈴?
美鈴
美鈴
ただいま!
雨降ってきちゃって・・・
美咲
美咲
びしょ濡れじゃない・・・
着替えてきなさい
美鈴
美鈴
・・・・うん
あの日から、徹矢先輩が、なんだか優しい・・・
でも、そんなこと・・・・
わたしが気にすることでもないか・・・
美咲
美咲
今日は、ビーフシチューを作ったの
美鈴
美鈴
わぁ~!
私の大好物❤️いただきます!
美咲
美咲
・・・ねぇ?美鈴?
美鈴
美鈴
えっ?
わたしがビーフシチューを食べようとしたとき
美咲
美咲
最近、徹矢の話をしないわね
美鈴
美鈴
えっ?な、何いってるの?誤解しないで💦わたし別に・・・
美咲
美咲
わたしは、聞きたいな
美鈴
美鈴
美咲ちゃんは、まだ、あいつを?
美咲
美咲
・・・えぇ、好きよ・・・
学校行かないから、美鈴の話しか聞けなくて
美鈴
美鈴
・・・じゃあ、報告するね。
写真もたくさん撮るから・・・楽しみにしてて?
美咲
美咲
えぇ、ありがとう
数週間たったある日だった。

わたしは、朝から熱っぽかった・・・
美鈴
美鈴
コホコホ・・・・
絵里香
絵里香
大丈夫?美鈴・・・
美鈴
美鈴
・・・ちょっと熱っぽいかも・・・・
さくら
顔色悪いよ?早退した方がいいんじゃない?
美鈴
美鈴
コホコホ・・・大丈夫・・・薬もらってくる・・・
さくら
私たちもついていこうか?
美鈴
美鈴
ううん、平気だよ?
次の講義遅れるから先にいってて?
絵里香
絵里香
・・・・うん・・・
二人に心配そうに見送られ・・・・
本当は、しんどいのに強がった・・・
徹矢のファン
フフ、ひとりになったわ
美鈴
美鈴
コホコホ
コホコホ・・・・・
徹矢
徹矢
あれ?君たち次の講義はここ?
絵里香
絵里香
徹矢先輩・・・
徹矢
徹矢
あれ?美鈴は、どうした?
さくら
じつはあの子熱出しちゃって・・・・
徹矢
徹矢
えっ?
絵里香
絵里香
徹矢先輩、お願いです。美鈴、昔から辛いとか苦しいとか言わなくて、全部我慢しちゃうんです
さくら
わたしも、なんかそうだなって。友達になってはじめて気づきました。
1人で抱えているんじゃないかって・・・本当は、しんどいのかもって・・・
絵里香
絵里香
ちゃんと見ていてほしいです
徹矢
徹矢
えっ?俺に?
絵里香
絵里香
徹矢先輩なら、美鈴のこと見てくれる気がするから・・・・
あの、ぶしつけなお願いかもしれませんか一緒に迎えにいってくれませんか?
徹矢
徹矢
・・・・・・
さくら
あの!無理にとはいいません。次の講義がなければでいいので・・・・
徹矢
徹矢
いいよ。
次の講義は、ないから。待ってて
その頃・・・
徹矢のファン
青田さん
美鈴
美鈴
・・・・えっ?・・・
熱で朦朧としているなか誰かに呼ばれた。
美鈴
美鈴
・・・誰?コホコホ・・・・
徹矢のファン
ずいぶん具合い悪そうね
美鈴
美鈴
わたしだって、風邪くらい引きます・・・・
あの、なにかようですか?
徹矢のファン
これ、なぁんだ
彼女が、持っているのは、命の次に大事な一眼レフだった!
美鈴
美鈴
・・・あっ、それは・・・・・
徹矢のファン
そう、あんたの大事なカメラ
美鈴
美鈴
ど、どこでそれを?
徹矢のファン
ここに写ってるデーターを全部消したいんだけどいいかしら?
美鈴
美鈴
・・・ダメ!それだけは!
絵里香
絵里香
・・・!いま、美鈴の声、聞こえなかった?
さくら
うん!わたし、徹矢先輩呼んでくる!
美鈴
美鈴
か、返して!そのカメラは・・・・・コホコホ・・・・
徹矢のファン
いいわよ?その代わり・・・
絵里香
絵里香
美鈴!!
美鈴
美鈴
・・・恵里香?
来ちゃダメ・・・・
徹矢のファン
へぇー、チクったんだ・・・
美鈴
美鈴
彼女には、手を出さないで
絵里香
絵里香
やめてよ!美鈴、具合悪いのに、卑怯よ!
徹矢のファン
じゃあ、約束しなさい。
もう二度と徹矢君に近づかないって。あなたが、目障りで仕方ないの
美鈴
美鈴
・・・・・コホコホ・・・
絵里香
絵里香
美鈴?大丈夫?
さくら
こっちです!徹矢先輩!
徹矢
徹矢
あ、あいつら・・・・
美鈴
美鈴
・・・わかりました・・・
徹矢先輩には、もう近づかない・・・・・だから・・・そのカメラだけは・・・・・コホコホ・・・・・
もう、限界だった・・・
徹矢
徹矢
やめろ!
徹矢のファン
なっ・・・・
徹矢
徹矢
そのカメラを、その子に返すんだ
美鈴
美鈴
徹矢・・・先輩?・・・・
どうしてここに?
幻?
徹矢
徹矢
お前ら、そのカメラを盗んだのか?
徹矢のファン
そんなことしないわ。
この女が恐喝してきたのよ
美鈴
美鈴
・・・・えっ?
絵里香
絵里香
うそよ!
徹矢のファン
徹矢君の写真を、高く買ってくれって
美鈴
美鈴
・・・・・?
絵里香
絵里香
美鈴が、そんなこというわけない!
さくら
美鈴は、そんなことしないわ
徹矢のファン
あら、そうかしら。
私たち、脅されてるのよ?
病気のフリしてるだけよ
美鈴
美鈴
・・・・・コホコホ・・・・(これが、病気のフリ・・・・)
徹矢
徹矢
・・・・・
美鈴
美鈴
先輩?
徹矢
徹矢
いいからその子と、カメラを返せ
徹矢のファン
いいわ。
その代わり、このカメラは・・・
美鈴
美鈴
あっ・・・
彼女は、カメラを叩きつけようとして・・・
徹矢
徹矢
・・・・・
間一髪で、徹矢先輩は、受け止めてくれて・・・
さくら
・・・・セーフ😓
美鈴
美鈴
・・・・・良かった・・・・・
絵里香
絵里香
美鈴!
わたしは、意識が遠くなり倒れこんでしまった。
それを抱きとめてくれたのは・・・・・
絵里香
絵里香
美鈴!美鈴!
徹矢
徹矢
ちっとも病気のフリなんかじゃないじゃん。俺は友達に彼女は熱があるってちゃんと聞いたけど?
徹矢のファン
だ、だって
徹矢
徹矢
あんたたち、最低だよ。
この子は、いつか言ってた・・・
このカメラは
美鈴
美鈴
亡くなった両親がくれたたったひとつの形見なの。

わたし、これで、いろんな人の生きてる姿を撮りたいの!
徹矢
徹矢
そういう彼女が、あんたたちをだますとは思えない。
こっちこそ、約束しろ。
もう、この子に2度と近づくな
徹矢のファン
・・・・・
徹矢先輩のファンたちは、何も言わずに去っていった
美鈴
美鈴
・・・・ハァハァ・・・
絵里香
絵里香
美鈴!しっかりして!
美鈴
美鈴
・・・カメラは・・・・?
徹矢
徹矢
大丈夫。カメラは無事だ。
彼はカメラをさくらに預けると、美鈴を抱き抱えた。しかも、お姫様抱っこ。
絵里香
絵里香
先輩・・・・
徹矢
徹矢
俺が運んでおくから君たちは講義に出るんだ。
さくら
はい!
絵里香
絵里香
よろしくお願いします‼️
美鈴
美鈴
・・・・・・
薄れゆく意識の中、誰かに抱かれている感じがした。

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