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第12話

12話 俺が見つめてるのは……
笹葉 拓
笹葉 拓
俺、お節介だってわかってるけど、
やっぱ黙ってられねえわ
拓先輩は鋭い視線で来希を見据えた。
笹葉 拓
笹葉 拓
あなたのこと、ちゃんと大事に
してやれよ。他に目移りしないで
篠宮 来希
篠宮 来希
もう、他の子なんて見ないよ。
今日もいちばん大事なのが誰なのか、
わかったって伝えに来たんだし
笹葉 拓
笹葉 拓
えっ……そうなのか?
一瞬、傷ついた顔を見せた拓先輩は、
言葉を失っている様子だった。
篠宮 来希
篠宮 来希
だーかーら、俺たちの仲を
心配しなくても大丈夫ですよ、先輩
笹葉 拓
笹葉 拓
…………
篠宮 来希
篠宮 来希
先輩こそ、好きな人のところに
行かなくていいんですか?
笹葉 拓
笹葉 拓
それは……
言い淀む拓先輩。
あなた

(私も不思議だったんだよね。
いくらヘタレとはいえ、
私に時間を使っていたら、
いつまで経っても好きな子と
仲良くなれない)

あなた

(だけど、いつも図書室に寄ってから
ここにくるはずなのに、
どんどん音楽室に来る時間が
早まってて……)

あなた

(下手したら、私より先に
いることもあるし。図書室に
行ってないんじゃないかって……)

沈黙に包まれる音楽室。

そこへ「すみません」と
ひとりの女子生徒が現れた。
笹葉 拓
笹葉 拓
あ……
後輩の女の子
後輩の女の子
先輩、最近音楽室に通ってるって
言ってたから……会いに来ちゃいました
そう言って、私を不安そうに
ちらりと見る女の子。
あなた

(ああ、この子が拓先輩の好きな人。
この子、私と先輩の関係を疑ってるんだ
ろうな。取られるかもしれないって)

あなた

(なーんだ、両想いだったんじゃん、
先輩。私の入る隙間なんて、
初めからない)

あなた

ほら、練習の邪魔。
みんな、さっさと出てって

私は拓先輩が女の子と心置きなく
一緒にいられるよう、
全員を追い出すことにした。
笹葉 拓
笹葉 拓
……でも、まだあなたのピアノ
聞いてない
あなた

そんなことより、
大事なものがあるはずです

拓先輩は私を何度も振り返りながら、
音楽室を出ていく。

でも、来希だけはその場に残っていた。
あなた

来希、私はみんな出てってって
言ったはずだけど

篠宮 来希
篠宮 来希
傷心中の女の子を置いて
行けるわけなくない?
あなた

別に、傷心なんて……

篠宮 来希
篠宮 来希
嘘つき
篠宮 来希
篠宮 来希
俺、あなたの強がりを
見破れるくらいには、
あなたのこと見てたつもりだよ
あなた

……そう……

あなた

(私の汚いところも弱いところも、
来希は知ってる)

あなた

(来希といたら、今度こそ本当に幸せな
カップルになれるのかもしれない)

あなた

(だけど、もう遅い……。
私の心は、拓先輩の言葉にしか
動かないんだ)

私は悲しみを吐き出すように、
ピアノを弾く。

──ポロン、ポロン……。

涙が落ちるみたいな、少し切ない、
胸がチクチクする旋律だった。



【拓side】

あなたに音楽室を追い出されたあと。

俺は好きな女の子と図書室に来ていた。

それなのに……。
笹葉 拓
笹葉 拓
(あなたのピアノ聞いてないって
言ったとき、どうして
『そんなことより大事なことがある』
なんて言ったんだよ)
俺の頭の中を占めるのは、
あなたのことばかりだった。
笹葉 拓
笹葉 拓
(他の女子との恋を応援されて、
胸が苦しくなるとか……)
笹葉 拓
笹葉 拓
(なんでこんな気持ちになるんだ? 
俺は彼女が好きなはずなのに)
俺はテーブルを挟んで向かいに座る
後輩に目をやる。

すると、彼女は緊張した面持ちで、
深呼吸したように見えた。
後輩の女の子
後輩の女の子
先輩、好きです
笹葉 拓
笹葉 拓
…………