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第17話

17話 好きだから、ごめんね
篠宮 来希
篠宮 来希
好きだよ、あなた
あなた

も、もう、こんなところで
なに言ってるの。保健室行くよ

その手を引いて保健室に行き、
私は来希の手当てをする。
あなた

殴られないように言い方なり
工夫して、女の子たちとの関係、
断ち切れなかったの?

篠宮 来希
篠宮 来希
んー……ちょっと前の俺なら、
できたかもね
篠宮 来希
篠宮 来希
けど、俺がやってきた中途半端な
関係を終わらせるには、
好きな子ができたって
ちゃんと言わないとダメだと思ってさ
あなた

来希……ほんと、らしくない

篠宮 来希
篠宮 来希
だよなー
あなた

けど、今の来希のほうが
ずっとイケてると思う。来希は顔は
いいけど性格がアレだったから

篠宮 来希
篠宮 来希
ちょっとそれ、俺はどんな気持ちで
受け取ったらいいわけ?
あなた

褒め言葉だから

あなた

前みたいに来るもの拒まずを
続けてたら、寄ってくる女の子も
見てくれ目当ての子ばっかりになる

あなた

でも、中身から魅力的な
男子になれば、きっと……
来希にも素敵な人が現れるって

篠宮 来希
篠宮 来希
そこは、私が来希を愛する!って
言ってくれるところじゃないの?
あなた

言わないよ。
私の気持ち、知ってるでしょ?

ペシッと腫れた頬を軽く叩いてやれば、
来希は「~~~っ」と声にならない
悲鳴をあげて悶える。
篠宮 来希
篠宮 来希
それでも──
来希の手が私の顎にかかる。
篠宮 来希
篠宮 来希
好きだから、しつこくするけど、
ごめんね?
性懲りもなく、顔を近づけてくる。

キスされそうになり、
私は両手で口を覆った。
あなた

私が好きなら、
こういうことはやめて

篠宮 来希
篠宮 来希
長年の癖って、
抜けないもんだよね
あなた

理性を保て、理性を……

篠宮 来希
篠宮 来希
無理だよ、好きになっちゃったから
あなた

(そんなに好き好き
言わないでほしい)

少しばかりドキッとしてしまったのは、
きっと気のせいだと思うことにする。
あなた

(私の好きな人は、
拓先輩なんだから)

***

手当てを終えて、来希と一緒に
第2音楽室に行くと、すでに拓先輩がいた。

私たちを交互に見た拓先輩は
一瞬、顔を曇らせる。
あなた

先輩、大丈夫ですか?

笹葉 拓
笹葉 拓
え? ああ、大丈夫大丈夫。
それより、お前……修羅場か?
取り繕うように笑ったあと、
拓先輩は来希の傷だらけの顔を見て、
苦い表情を見せた。
篠宮 来希
篠宮 来希
うるさーい、ほっといて先輩
笹葉 拓
笹葉 拓
心配してんだよ!
なのに、その言い草はなんだ
篠宮 来希
篠宮 来希
恩の押し売りですかー、
そんなことしてもあなたのことは
諦めませんけどねー
黒い笑みを浮かべる来希と、
ため息をつく拓先輩。
あなた

(このふたり、いつの間に
仲良くなったんだろう)

私は喧嘩するふたりをよそに、
ピアノを弾く。
あなた

(コンクールも近いんだし、
ふたりにかまってる暇はない。
時間がもったいないしね)

コンクールで弾こうと思っている
曲を奏でれば……。
笹葉 拓
笹葉 拓
音が変わった!
篠宮 来希
篠宮 来希
音が変わった!
ふたりが声を揃えて言うもんだから、
私は手を止めてしまう。
あなた

え? どんなふうに?

笹葉 拓
笹葉 拓
なんかこう、今は少し楽しそう?
篠宮 来希
篠宮 来希
……確かに、ちょっと弾んでる
あなた

(音が生き生きとしてきた? 
きっとそれは……)

あなた

ふたりのおかげだね。
ありがとう、本当に

満面の笑みを浮かべると、
ふたりが胸を押さえて赤面した。