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あなた「ちょ、ちょっと待って…下さい… どこに行くんですか…?」
宏太「……いいから。」
敬語で話していたぐらいだから、雑誌の撮影以外で触れる機会は無かったし、この時、手首を掴まれて連れて行かれた事には驚いた。
あなた「よ、良くないです…!」
無理矢理解こうとしても動かない薮ちゃんの手に、『男の人ってこんなに力強いんだな…』なんて少し感心している自分は本当に呑気だったと思う。
宏太「変わらないね。」
あなた「…えっ……⁇」
『変わらないね』そう呟いた薮ちゃんの言葉は、目的の場所に連れて行かれて話し合いが始まるまで 私には理解が出来なかった。
それから、長い長い、目的地までの廊下を歩いている時は一言も話さなかった。
…というか、話せなかった。
宏太「入って。」
薮ちゃんが突然止まったのは【会議室】と書かれた部屋の前だった。
…もしかしてここで何かされるのか。
…人体検査とか…⁇
…わ、私みたいな子供には刺激が強い あんな行為⁈
と、勝手に妄想を繰り広げていた私は頑なに入るのを拒んだ。
宏太「…まったく…。」
が、私は背中を押されてその部屋に飛びこんだ。
あなた「ひゃっ⁈」
会議室の中にはJUMPのメンバーと、マネージャーさんが円を作って座っていた。
涼介「…遅すぎ。」
あなた「ごごっ、ごめんなさい…。」
大貴「ここに来るまで一体何分かかったの。」
鞄の中の携帯を取り出し時間を確認すると、表示されていたのは18:35の文字。
スタジオを出たのは18:00ぴったり。
普通の人が歩けば10分もかからないであろう距離を たっぷりと時間をかけて歩いていた。
あなた「さ、30分…以上…。」
大貴「はぁ…。」
大ちゃんのついた溜息と、他のメンバーの疲れた表情からの緊張で震える手足を見て口を開いたのは ゆーと。
裕翔「別に、怒ってる訳じゃないんだけど。」
あなた「えっ…?」
裕翔「…まぁ、それも含めて話したいし、とりあえず座ってよ。」
そう言って指をさしたのはさっき溜息をついた大ちゃんの隣。
震える手足を動かして歩く姿は、きっとロボットみたいだったと思う。
席の前まで行ったはものの、相変わらず震え続ける手足に ぎゅっ、と力を込めた。
侑李「座って⁇」
あなた「は、はいっ…。」
言われた通り座ると、指揮をとったのはひか。
光「気づく事、無かった?」
あなた「き、気づく事…⁇」
光「そう、いつもと違う事。」
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。