前の話
一覧へ
次の話

第5話

トラブル
114
2021/02/26 13:17
サーーーー……

緊張しながらもシャワーを浴び、シャンプーを手に取るとふんわりと甘い香り。



『あ、はじめくんの匂い…』



甘い香りにシャンプーまで甘党なんかと思ったり思わなかったり。
頭を洗っているとはじめくんに頭を撫でられた事を思い出す。日本一はああいう事をサラッとしてしまうから困る。これからも慣れないんだろうなとか考えていたけど私は勝手にこれからもされるつもりでいた。

顔が暑くて赤いのはお風呂が温かいせいにしようと思う。



『はじめくん、、お風呂あがりました〜』



色々考え事をしていたら結構な長風呂になってしまって駆け足で階段を駆け上がり、編集中のはじめくんに一声かける。



は「ん?あ、おかえり。シャンプーとか分かった?説明するの忘れてたけど…」

『ただいまですっ。分かったよ!』



ゲーミングチェアをくるりと回しヘッドホンをとって私の方を向いた。



は「なんか、俺とおんなじ匂いする人が居るの不思議笑」



そう言ってはじめくんはまだ濡れている私の髪に鼻を近づけた。



は「俺がこの匂い好き買ったけど女の子からこの匂いするのめっちゃ良い笑」

『すっごくいい匂い、はじめくんセンス良いね笑』



ふふんとわざとらしいドヤ顔をした後、何かを思い出したように1回へ降りて騒がしくまた戻ってきたはじめくんの手にはドライヤーが握られていた。



は「おいらが乾かしてあげる!」

『え、いやじぶんで出来r、』

は「ほらここ座って!!」



早く早くと急かされてしぶしぶ座ると
温かい風が後ろから吹いてくる。
何やら楽しそうなはじめくん。



は「お痒いところはございませんか〜♪」

『は〜い』



終始楽しそうに私の髪の毛を乾かし終えると、私の横へ座った。



は「俺さ、あなたが来てくれて良かった。妹できたみたいで嬉しい笑」

『私も、はじめくんがいとこで良かった!』

は「…あなたってやつは〜!!」




また私の頭をくしゃっと撫でたかと思えば、大型犬を可愛がるようにぐしゃぐしゃと頭を撫でた。



『わっ、やだ!笑』

は「やめてやんないよ〜笑」

『このー!』



私もはじめくんの髪をぐしゃぐしゃっと撫でてるとお互い楽しくなってしまって、いつの間にか立ち上がり追いかけっこになっていた。



は「もう逃げられんぞ!!観念せい!」

『まだ負けてないもん!』



逃げ切ろうと踏み出した時、差しっぱなしだったドライヤーのコードに足を引っ掛け、本日二回目の大転倒………



『いっ…、!?』

は「いてて…大丈夫?あなた怪我ない?ほんとドジだな〜笑」


私を受け止めきれず、はじめくんを押し倒す体制になってしまった。



『ご、ごめんなさいっ!』



恥ずかしさと申し訳なさで直ぐにはじめくんの上から退こうとした時、ぐっと腕を引かれ、はじめくんの顔が私の顔のすぐ側に来た。



『はじめ、くん…?』

は「あなたはドジっ子だから心配だなあ」



ゆっくりと近付いてくるはじめくんの顔。



ピーンポーン…………

プリ小説オーディオドラマ