第3話

同種族
63
2022/08/03 06:43
シエル
シエル
ふぁぁ、ちょっと寝るか…
足元の焚き木に肉を並べ、俺はそう呟いた。
火をそのままにすると危ないんじゃないかって?
まあ、確かにそうだ。一般狼が火を炊いたまま寝るなんてことしたら、ソイツはその後焼死体で発見されることになるだろう。

だが俺はそんなヘマはしない。どうするかって?
今ここに並べた肉たち、コイツらが焼けてきた頃、このグルメな狼シエル様はその美味そうな肉の匂いを嗅ぎつけて起きるって手筈だ。完璧だろ?
シエル
シエル
味付けはこいつでいいか…
だいぶ前に見つけたコーラルフラワーの実を取り出し、もう干からびてしまったそれを粉々に砕いて肉たちにまぶした。

近くの岩に腰掛けた俺は、肉が焼きあがるのを楽しみに眠りについた。
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レオナード
レオナード
腹減った……
しばらく水や木の実しか口にしていない俺は、物凄く腹が減っていた。
そんなの、肉食の狼が耐えられるはずもなく、俺は今にも倒れそうだった。
レオナード
レオナード
……?
何かの匂いがする。木が焦げた匂い、スパイスのような匂い、それだけじゃない、俺はこの匂いを知っている。
この匂い、これは、今俺が一番欲している……
レオナード
レオナード
レオナード
レオナード
肉だ…! 
いったい誰が…とか、まだ生焼け…とか、そんなことを考えるより早く体が動いていた。
レオナード
レオナード
うま……
並べてあった肉を全てたいらげた俺は、少し困ってしまった。
食べ終わってから、考えるべきことが沢山頭に浮かび上がってきたのだ。
肉が生焼けだろうが俺たちには関係がない。問題はこれが誰の肉だったのか、だ。
丁寧に味付けまでして調理しているあたり、きっと人間で間違いない。
人間ならちょっとおどかせば諦めて逃げていくだろうか…いやそんなことするのは良くないかな…
ガサ……
レオナード
レオナード
!?
物音がする。この肉の持ち主だろうと考えた俺は、こっそり覗いてみることにした。
なるべく音を立てないように、匍匐前進のような体制で進んでいく。
レオナード
レオナード
(やっぱり牙見せて脅すしかねえか……?)
シエル
シエル
んぁ…にく…
レオナード
レオナード
……は?
そこにいたのは一匹の狼だった。俺よりデカイ。てか、コイツが調味料かけて肉焼いたのか…
幸いコイツは眠っている。食べ物の恨みは怖い。とっとと逃げてしまうが吉だ。
そう思いその場を立ち去ろうと立ち上がったとき、俺の目にあるものが飛び込んできた。
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シエル
シエル
ん……?
謎の物音でぼんやりと意識が戻りかけていた俺は、肉の匂いではなく、知らない奴の声で完全に目を覚ますことになる。
レオナード
レオナード
父さん!
シエル
シエル
ふぁ…?とうさん……?とう…さん…
とう………っあ!俺の肉!
シエル
シエル
あ“!肉がねえ!!
お前が食ったのか!?
レオナード
レオナード
あ、違う!いや、違くないけど…
レオナード
レオナード
お腹空いてたんだ!肉なんて見たのも久しぶりで、
ねえそれよりソレ!
俺の肉を腹に収めたらしいそいつは何も入っていない俺の腹を指差してきた。
シエル
シエル
俺の腹がなんだよ…肉返せよ…
レオナード
レオナード
その、縫い痕!父さんとおんなじだ
レオナード
レオナード
っなあ父さんお願い。俺にも肉ちょうだいよ。
俺も自分で取れるけどさ、獲物が見つかんないんだ…
シエル
シエル
は、おま、俺はお前の父さんじゃねえよ!
なんでこの俺様がそんなことしなくちゃなんねえんだ…
レオナード
レオナード
……じゃあ、パパ…?
シエル
シエル
呼び方の問題じゃねえよ…!
っ…う、ん…いや、でも……
コイツは俺と同じ狼だ。狼にはなぜか悪そうだというイメージがある。この縫い痕を見て「父さん」と言ったのならコイツは、もしかすると不遇な目にあってきたんじゃないか…?
シエル
シエル
まあ、少しなら分けてやらんこともない…
レオナード
レオナード
!!
レオナード
レオナード
ほんとか!?パパ、ありがとな!
シエル
シエル
パパ…
まあいいか、と思いつつシエルは重要なことに気づく。
シエル
シエル
あれ、結局肉は………
END__________________________________________________









お腹の縫い痕をレオパパと重ねちゃうレオくんと同種族に甘いシエル。
多分このあとレオくんがめっちゃシエルのことバカにしてくるレードちゃんと仲良いって知ってキレ散らかす。厄介親父。レオレド(名前絶対これじゃない)万歳‼️👊💥💥(無許可)(でもレオレーってダサくない?)
スピード感ゴミカスみてえな文だけど読んでくれた人いたらありがとちゅっちゅっ😘😘

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