第10話

7ページ目~誰か~
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2021/01/29 09:57
何個もの違和感が重なると、



とてつもない事件がおきることがある。















それがどんなに些細な違和感であっても、自分にとっての多少の違和感なのであっても




それはおこりゆることなのだ。
それを今あなたは身に染みて実感しているのである。









































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ジャミル
ジャミル
では、現時点で分かっていることをお伝え致します。
この場の雰囲気は正しくこおばっている。

それだけ重大な事なのだ。

それだけ起きてはいけないことだったのだ。
ジャミル
ジャミル
最後にカリム様と会ったあなたさん。
あなた

はい.......

何を言われることやらと、歯を食いしばる。

余計なことを言ってはダメだ。もし、踏み外したら.......考えたくもない。





そんな中、この場にいる全員の視線があなたに集まる
ジャミル
ジャミル
カリム様に違和感などはありましたか.......?
ジャミル
ジャミル
些細なことでも。
あなた

特に変わりはなかったかと、思います。

変わったことといっても、いつもの能天気なカリム様で、




というか、カリム様のあの能天気な顔以外見たことがない。
あなた

カリム様は私と少々話した後、「誰かに呼ばれた」と言って走っていきました。

あなた

(天使のように.......)

あなたは自分の個人の感想を飲み込んだ。



いや、あの姿を見たら誰でも"天使"と思うだろう。

見えなくなるまで手を振り続けてくれたのだぞ?????

天使だった.......(2回目)
ジャミル
ジャミル
誰.......かに.......?
ジャミル
ジャミル
あなた以外に最後に対面したのは当主様以外に居ないはず.......。
つまり、その時カリム様を読んだ"誰か"が犯人の可能性が高い。


ということだろう
あなた

.......

あなたはこの状況が"マズイ"と思った。


自分と、その"誰か"。

自分の発言たったひとつで変わってしまうこの現状。





自分も"犯人の可能性がある"と見られているかもしれない。


だいいち、ジャミル様達にとったら
"急に入ってきた新人"

"カリム様と最後に会った人"
あなた

(防犯カメラとかないのかな.......)

あるはずがない。
カリム父
カリム父
あなた、そのカリムを読んだ人だ誰かわかるか?
あなた

存じ上げません。

カリム父(当主様)は冷静な口調で話していたがその手は震えているように見えた。
カリム父
カリム父
そうか.......。
.......あれ?
何故自分を疑わない。
何故自分の意見だけで覆される状況なのに信じてくれる.......?

善人なのか、善人過ぎではないか?!!


詐欺にあいそうで心配.......
従者
従者
どうした?あなた
あなた

従者
従者
何か言いたそうな顔してたぞ?
勘が鋭い。


Zさん、もしも自分の"時間"に居たらトレイ先輩やラギー先輩のように、『ママ』という存在になっているよ.......



なんて変なことを考えていた。
改めて自分はKYなのかもしれないと実感しなくもない。
あなた

それは.......。

言うべきことなのか迷った、


『どうして自分を疑わないのですか?』



なんて言ったら、、
怪しいと思われるか?

それともただ単に気づいてなかっただけなのか.......、、?

ありえる。
あなた

(どうしたものか)



















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結局、自分が考えていたことは伝えず時間だけが過ぎていった。
あの場では伝えずらいのだろうと悟ってくれたZさんが後にあなたにもう一度問い直してくれた。




ほんとうに、Themama
って感じがする。と心の中で思っていた。
Zさんが言うにはこうだ。
従者
従者
だって、カリム様いつも能天気そうだけど、、、
従者
従者
意外と.......と言っちゃ悪いな。
従者
従者
刺客に狙われる環境で育ったせいか勘が鋭いらしいぞ?
従者
従者
つまり、お前は"善人"だ。
善人という言葉にピクリと反応した。
「今すぐ訂正するべきだ、」とおもったからだ。

私ではなくZさん、あなたこそ正しく"善人"そして"Themama"
あなた

.......

あなた

(だったらどうして"自分の命を狙っている"と分かっているのに接しているのだろうか.......)

従者
従者
「だったらなんで悪い人とわかっている人にも変わらずに接しているのか」って?
あなた

!?

従者
従者
なんでわかったって顔してるな〜あなた!w
従者
従者
あなた実は馬鹿正直だろ?顔に出てたぞ
Zさんの言うことには何故かとてつもない"説得間"があった。


Zさんは話を続ける。
自分はまじまじとその話を聞いていた。
従者
従者
"信用したいから"じゃないか.......?
あなた

.......?

あなたの考えはこうだ。


信用してしまったら自分の命を取られるぞ

.......と。
しかしカリム様は光属性である。
従者
従者
だってさ、カリム様はまだ幼いのにも関わらず色んな事に巻き込まれているだろ?
例えば、

刺客に命を狙われること
誘拐されること

毒を盛られること
裏切られること

などと、心の中で付け足す。


本当ならそんな体験しなくてもいいはずなのに、カリム様は幼いながらも複雑な事情に絡み合っているのだ。


出したらキリがない.......
従者
従者
どんなに裏切られても、自分のことを見てくれる人もいるって思っているのかなって
従者
従者
私はおもっている
あなた

.......ママだ。

従者
従者
え?
Zさんが首を傾け、不思議そうな顔をしていた。が、


あなたはなぜそういったのかを説明するほど"善人"ではない。
あなた

なんでもないですよ

従者
従者
お、.......お、う?
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天はもうすっかり真っ暗になっていた。

あまたに光る星たち、

ここまでの絶景は生まれて初めて見たと思えるくらいの美しさ。


その中で、あなたが持っているペンダントもまた、夜空に光る何百年前もの光と同じように


ピカピカと、光っていた。

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