小さい頃から思い浮かべていた夢を思い切り宣言しつつ、コンクリートを持ちながら怨念のタマゴに突進していく。
闘志に満ちたマタロウの気配を感じた怨念のタマゴ。
だが、すでに遅かった。
マタロウは力を振り絞って、手に持つコンクリートの塊で怨念のタマゴを力一杯叩いたのだ!
なす術なくぶっ飛ばされる怨念のタマゴ。
校舎の柱に勢いよく激突し、ベローンと伸びた。
だがその上に鉄骨が次々と容赦なく落ちてきて、怨念のタマゴにグサグサ突き刺さった!
大爆発が起き、怨念のタマゴは光の結晶となって飛び散った。
それと同時に、あなた達を捕らえていたネバネバも消えてなくなった。
解放され自由の身となったあなた達が安堵のため息をつく。
今一つ実感が持てていないらしいマタロウのもとに、皆急いで駆け寄る。
ジンペイとあなたの称賛の声に、照れの表情を隠せないマタロウ。
そんなマタロウにとどめを刺したのは……。
あなたが満面の笑みで放った一言だった。
異常な程に顔を赤くして、プシュ~ッとノックアウトされるマタロウ。
ジンペイとあなた以外の他の面々は、ニヤニヤとそれを見守っている。
ジンペイが、頭の後ろで手を組みながらチラッ、チラッ、と、わざとらしくあなたの方を見る。
おっと、2人目の犠牲者が出た。
フブキは「ほほー、これが俗に言う……ウフフフフ」と1人でニヤニヤしている。
──やったよじいちゃん!
僕、ついにヒーローになれた!
しかもあなたさんに、カ、カッコいいなんて……!
マタロウが心の中で盛大なガッツポーズを決めていると、えんら先生がセクシーな歩みでやってきて、マタロウの肩にそっと手を置いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。