第110話

109,宇宙一のヒーロー!
1,332
2021/12/30 11:28
玉田マタロウ
玉田マタロウ
僕は……宇宙一のヒーローに……なるんだ──っ!!
小さい頃から思い浮かべていた夢を思い切り宣言しつつ、コンクリートを持ちながら怨念のタマゴに突進していく。
玉田マタロウ
玉田マタロウ
うぉおおおおお!!
闘志に満ちたマタロウの気配を感じた怨念のタマゴ。
だが、すでに遅かった。
マタロウは力を振り絞って、手に持つコンクリートの塊で怨念のタマゴを力一杯叩いたのだ!
怨念のタマゴ
怨念のタマゴ
うひょぉおおおん!!
なす術なくぶっ飛ばされる怨念のタマゴ。
校舎の柱に勢いよく激突し、ベローンと伸びた。
だがその上に鉄骨が次々と容赦なく落ちてきて、怨念のタマゴにグサグサ突き刺さった!

大爆発が起き、怨念のタマゴは光の結晶となって飛び散った。
それと同時に、あなた達を捕らえていたネバネバも消えてなくなった。
姫舞(なまえ)
姫舞あなた
良かった……!
解放され自由の身となったあなた達が安堵のため息をつく。
玉田マタロウ
玉田マタロウ
やった……僕が、やったの?
今一つ実感が持てていないらしいマタロウのもとに、皆急いで駆け寄る。
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
そうだ!お前がやった、マタロウ!!
姫舞(なまえ)
姫舞あなた
凄いじゃないマタロウ君!
ジンペイとあなたの称賛の声に、照れの表情を隠せないマタロウ。
そんなマタロウにとどめを刺したのは……。
姫舞(なまえ)
姫舞あなた
すっごくカッコ良かったわよ!
あなたが満面の笑みで放った一言だった。
玉田マタロウ
玉田マタロウ
…………!?!?
カ、カカカカ……カカカ……カッコイイ!?
異常な程に顔を赤くして、プシュ~ッとノックアウトされるマタロウ。
ジンペイとあなた以外の他の面々は、ニヤニヤとそれを見守っている。
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
ったくよー、俺も頑張ったのにな~
ジンペイが、頭の後ろで手を組みながらチラッ、チラッ、と、わざとらしくあなたの方を見る。
姫舞(なまえ)
姫舞あなた
はいはい、ジンペイもカッコ良かった!
おっと、2人目の犠牲者が出た。
フブキは「ほほー、これが俗に言う……ウフフフフ」と1人でニヤニヤしている。
玉田マタロウ
玉田マタロウ
僕はもう、の男じゃない!アハハ、アハハハハ!!
──やったよじいちゃん!
僕、ついにヒーローになれた!
しかもあなたさんに、カ、カッコいいなんて……!
マタロウが心の中で盛大なガッツポーズを決めていると、えんら先生がセクシーな歩みでやってきて、マタロウの肩にそっと手を置いた。

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