色々ありすぎたものの、何とかひと段落ついた。
メドゥーサもいないし、巨大なメテオも、メテオゴンもいない!
これにて一件落着だ!
ジンペイ達6人は、やりきった感に満ち溢れて夕日を眺めていた。
と、マタロウは少し離れた所にエマを見つけて駆け寄った。
──しかし、その時!!
メテオゴンに潰されてぺちゃんこになっていたメドゥーサから、不気味な光が発生し、その中から、鋭いカマの様な形状をした手を持つタマゴ型の怨霊──『怨念のタマゴ』が生まれてしまった!
皆は状況を飲み込みきれずに、ただただ驚くしかない。
コマに続いてアミが驚きの声を上げると、すぐさま怨念のタマゴは口からネバネバしたスライム状の何かを放ち、ジンペイ、コマ、あなた、メラ、フブキの5人を捕らえてしまった!
これはかなりの超絶大ピンチだ。
スライムが体に纏わり付き、思うように身動きが取れない。
──最後の最後で、こんなのアリ!?
と、怨念のタマゴはマタロウとエマ、ウー助に気付いた。
そんなの聞いてない、とばかりに慌てまくるマタロウ。
しかし、エマとウー助は守らなくては。
怨念のタマゴは、マタロウ達との距離をじりじりと縮めていく。
マタロウは腹を括って、エマを庇って前に出た。
怨念のタマゴは奇妙な声を上げながらマタロウ達の方に迫る。
マタロウは、とてつもない恐怖を感じながらも、必死にそれに耐えようとしていた。
足がガクガクと震える。冷や汗がダラダラと流れ落ちる。
ふと考えつく、自分がいたところで何も変わらないのではないか。
YSP能力も持っていない、たまたまでここまで来たような自分が、果たしてエマを守れるのか。
ジンペイやあなた、コマやメラのようなYSP能力者が動けないと言うのは、正直言ってかなりデカい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。