第7話

君のスニーカー。_sоυ
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2018/08/07 02:16

(ど、どうしよう……)


ドアから人が流れ出ていく。

東京の首都、新宿。

乗り降りの人数が多いこともあり、

ドアが開いている時間も、若干長い。


いぶくんと向かい合った形の俺は

逃げるように目線を足元に落とす。



(みっともないな、俺……)



涙が、滲んだ。


その時、だった。









「…ごめん」









─────いきなり腕を強く引かれる。











あまりにも、唐突な出来事だった。

いぶくんは僕の腕を引きながら、

人混みの中を早足で歩いていく。



(え…?!なっ、どうして…?!)



歩くペースに追い付けなくて、苦しくて。

俺は必死になって彼の名前を呼んだ。



「ねぇちょっと!いぶくん…待ってってば!!」



何度も、何度も。

息も絶え絶えになりながら、呼び続けた。


それでも彼は俺の声に構わず進んでいく。

何の反応も、返事もないまま。



(…っ?!)



急に視界が、がくんと傾く。

意識が朦朧として、世界が遠退いていく。



(もうすぐ改札口…なの…に……)




ここで意識が、途切れた。








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