Eveくん、お誕生日おめでとうございます!
今日はちょこっと番外編。
EveくんとSouくんの誕生日のお話。
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5月23日、AM0:00。
自宅で僕は、
そうちゃんと二人でお祝いをしていた。
クラッカーの大きな音が、夜に響き渡る。
「お誕生日…おめでと~!!」
「いやそんな大袈裟な…」
僕の言葉にえぇ~、と不満の声を漏らす君。
不思議と笑みがこぼれる。
(祝ってもらうっていいよね…)
思えば、出会ってからずっと
そうちゃんにお祝いしてもらっている。
(…ほんっとかわいいなぁ…。。)
「ふふ」
「ちょ、ちょっと!なに笑ってんの~!」
「笑ってない~!」
面と向かって言葉にするのは、
ちょっと恥ずかしいけど。
ありがとう、そうちゃん。
「ねぇ、そうちゃん」
「ん!どしたのいぶく…ん…っ」
あぁ、かわいい。
その驚いた表情も、この唇も、
全部、全部。
ちゅぱっという艶かしい音で、
唇と唇が離れる。
「え…っ?ど、うした…の…?」
息を乱しながら、そうちゃんは僕に聞いた。
(呼吸は鼻でするんだよって教えたのに…)
「ねぇ、そうちゃん。」
「…なに」
「今日ってなんの日でしょうかー。」
「は?…いぶくんの誕生日でしょ」
「あーもー、それもそうなんだけど!」
ちゅっとそうちゃんの額にキスをする。
「5月23日は、"キスの日"なんだよ」
「えっ、そう…なの?」
「僕、まだそうちゃんからの
誕生日プレゼント、貰ってないよね」
「え、あ、うん。ごめん…今渡」
「だから、さ」
そうちゃんの言葉を遮って続ける。
ごめんね?そうちゃん。
でも、今日だけは。
大学にも、バイトにもいかないで?
だって今日は、
僕の日なんだから。
「今日だけ、僕のものになって?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。