前の話
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高1の春。
こんな滑り止めの高校に受かったって嬉しくもないが、平和だったらなんだっていい。友達になりそうなやつもいたし、何事もなく始まりそうだ。
がやがやと騒がしいクラス。じじいの先生の話なんか聞くやつはいなかったし、俺はノートに落書きをしていた。
その時、ふと教室の隅に目をやると、一生懸命先生の話を聞いている人がいた。
女子ならともかく、男子のくせに真面目になっているのが気になった。
普通なら俺は気持ちわりぃって思うはずだが、俺はそいつに惹かれてしまった。
白い肌、大きな目、整った輪郭…。正直、そこら辺の女子より可愛かった。
自分が気持ち悪かった。相手は男なのに、何故か心臓がどきどきした。身体が熱かった。
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そうこうしているうちに授業が終わっていた。
普通、俺はすぐにLINEなんか聞かないけど、足が勝手にそいつの方へむかっていっていた。
それが最初の出会いだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。