〜美月side〜
……私は、普通の家庭で育ちました。
会社員のお父さんに、専業主婦のお母さん。
決して裕福な暮らしではなかったけど、凄く幸せでした。
…………………………でも、ある日。
お父さんがお母さんと私に対して、暴力を振るうようになりました。
会社でのストレスを、私たちに当てていたんです。
そんな生活がそろそろ一年経とうかというある日。
お母さんが私に逃げてって言いました。
嫌だった。
「なんで!?お母さんも逃げようよ………!」
でも、お母さんは拒否しました。
「お母さんも必ず逃げるから……っ!!だから、今は貴方だけでも逃げて……!!!」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねー!!!!」
ゴッ!バキッ!
「(´Д`).∴カハッ!」
「お母さん!!!!」
「逃げなさい!!早く!!!!」
「……!!!!」
私は、お母さんを置いて逃げました。
数日後
私はやっぱりお母さんも連れていこうと思って、お父さんが仕事でいない時間を狙って家に戻りました。
そしたら。
〜銃兎side〜
信じられなかった。
まだ10年しか生きていない小さな少女が、こんな辛い境遇で生きていたなんて。
気づいたら、俺は彼女を抱きしめてた。
すると、左馬刻と理鶯も彼女の頭を撫でながら言葉をかけた。
すると彼女は
俺に縋り付きながら大声で泣いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!