春、まだ新しい大学生活1年目で慣れない日々が続いてはいたが、トワと友達になれたことが嬉しく、どうにかして近づこうとしていた。
とりあえず、お出かけに誘ったり、勉強に誘ったりしてまずはお互いを知ろうとした。最初のスタートは順調のようで少し浮かれていた。
夏、少し恋愛対象として興味が湧いてきた私は、マコトをお祭りに誘ってみることにした。当日になるまで、毎日ソワソワしながら過ごしていた。
彼は浴衣できた私を気遣って歩幅を合わせてくれたり、人混みではぐれないように積極的ではあるが手を繋いでくれたりして、私は心を揺さぶられた。
秋、僕はピクニックに行かないか、とちょっと攻めた誘いをしみた。彼女がOKしてくれた時には心臓が飛び出そうなぐらい嬉しかった。
手作りのお弁当を作ってきてくれたようで、お昼は他愛ない会話をしながらお弁当を食べた。その後も時が過ぎるのは早く、すぐに日が暮れ解散した。
冬、この頃にはお互いの家を出入りするぐらいには仲が良くなっていた。彼はいつも私を迎えに来てくれて、一緒に大学にいくようになった。
一人暮らしの彼をよく家に呼び一緒に食事をしたりしていた。好きになってしまった彼の、嬉しそうな顔を見れるのが一日の疲れを癒してくれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。