第213話

理性
2,813
2020/05/11 22:53
帰り道、寂しくて。


もう、こんな風に彼に触れるのは、最後なのかと。





高橋くん
高橋くん
なに泣いてるの?


少し背伸びをして、彼の首の後ろに手を回し、


彼の唇を奪った














高橋くんの頭で、かちゃり







理性というブレーキが外れた音がした。












高橋くん
高橋くん
なんてこと、してくれたんだよ
あなた

え?

高橋くん
高橋くん
こー見えても、俺だってガマンしてんだよ?
高橋くん
高橋くん
なんとか、このまま、収めて、普通の生徒に戻りたいって、思ってる、、、
高橋くん
高橋くん
でもさ、、、いくら、おまえが望んでるとわかっててもさ、、、
高橋くん
高橋くん
そんな簡単じゃねーんだよ





話しながら、、、キスを、、、する







高橋くん
高橋くん
ねぇ、もう望まないから、ホテル行っちゃだめ?
あなた

もう望まないって?

高橋くん
高橋くん
あなた、藤ヶ谷の奥さんになっちゃうんでしょ?
あなた

あの、、、

高橋くん
高橋くん
もう、忘れなきゃ、、、
高橋くん
高橋くん
ごめん、、、帰ろう
あなた

あたし、、、

高橋くん
高橋くん
幸せになって、、、よ
高橋くん
高橋くん
オレ、泣かす事しかできない
高橋くん
高橋くん
どこにも行けないし、
高橋くん
高橋くん
ほとんど、一緒にいられない
高橋くん
高橋くん
だから、幸せにしてもらいな
高橋くん
高橋くん
な、、、
あなた

高橋くんは、、、

あなた

どーなるの?

高橋くん
高橋くん
オレ?
高橋くん
高橋くん
オレは、女がほっとかないからさぁ







私たちは抱きしめあった。





水門から、来た方がとは逆に曲がると、ラブホがある。







私は、誘った。



彼は、断った。



















高橋くん
高橋くん
ごめん、、、藤ヶ谷、待ってるよ

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