第960話

続編:2月28日の話
1,070
2020/08/08 07:49
あの日さ、、、、オレも行ったんだよ。







あなた

どこに居たの?

高橋くん
高橋くん
居なかったんだけど
あなた

なに?

あなた

わかんない、、、

あなた

あの日さ、すごいウキウキしてたの。何日も前から、服買ったり、エステ行ったり、美容院行って。本当に、今できる1番いいところ、見せたいと思って。

高橋くん
高橋くん
ごめん、、、
あなた

あたしが張り切りすぎたかな、って、、、

あなた

でも、、、ちゃんと生きていられたの、あたし。借金、太輔が払ってくれたし、もう生きてなきゃな理由もなくて。

あなた

でも、ちゃんと働こうって思えたの、あのパン屋さん。

高橋くん
高橋くん
ホルン?
あなた

ウン

あなた

だから、この先高橋くんに捨てられても、そーやって、ひっそり生きていく。

高橋くん
高橋くん
朝10時を目指してたんだよ。11時くらいに区役所で婚姻届だして、キスして、母ちゃんと父ちゃんに会わせて、昼飯食って、あなたんち行って、セックスして、泊まろうと思ってた。
高橋くん
高橋くん
駅前のコンビニあるじゃん、ちっさい
あなた

うん

高橋くん
高橋くん
あそこで、すげー大荷物のお母さんと4歳の女の子が出てきたの
あなた

うん

高橋くん
高橋くん
お母さんは、ちょっと、イライラしてて。女の子もイライラしてた
あなた

うん

高橋くん
高橋くん
荷物多すぎて、手が繋げてなかったんだよ
あなた

怖いね

高橋くん
高橋くん
前から自転車がちりんちりーんって来て。お母さんはあっちがわ、オレと女の子はこっち側になっちゃったの
高橋くん
高橋くん
それに驚いた女の子が、ママっって横振り向いた時に、歩道からずり落ちて、ごろんって、バックのでんぐり返ししたの、、、可愛いでしょ?
あなた

え?そんな感想?

高橋くん
高橋くん
そ。
高橋くん
高橋くん
そーゆーこと
あなた

え?意味わかんないけど?

高橋くん
高橋くん
あー笑笑
高橋くん
高橋くん
そこに車が突っ込んできてっていうか、のぞみじゃなくて、なんだっけな、、、まこと!!真琴が車に突っ込んで、拾い上げたオレが車と接触
高橋くん
高橋くん
オレは脳しんとう。救急車で母ちゃんの病院。
あなた

え、、、大丈夫?だったんだ、、、ね、、、よかった

高橋くん
高橋くん
なんて事なかったんだけど、、、記憶飛ばしたんだよ
高橋くん
高橋くん
あなたの事だけ、全部。
高橋くん
高橋くん
真琴とは、ゴールデンウィークに遊ぼうって約束しててね、、、その時に、そのお母さんがあなたさんって言うんだけど、、、指輪をもってきてくれたの。
あなた

指輪?

高橋くん
高橋くん
あれ?指輪渡してないよね?
あなた

これじゃなくて?

高橋くん
高橋くん
ちがうよ、一世一代、学生の分際でダイヤモンドを用意させていただきました!!!
あなた

あなたさんってのは、宝石屋さんだったの?

高橋くん
高橋くん
アホなんやな、、、、結構。
あなた

え?ごめん、わかんなかった、、、

高橋くん
高橋くん
真琴、こどもの日に会えるから、一緒に行こうな
あなた

うん、、、

高橋くん
高橋くん
あなたさんが、指輪を持ってきてくれなかったら、思い出せなかったかもしれない。
あなた

あたしの居ない世界はどうだった?

高橋くん
高橋くん
なんだろうな、、、腹に力が入らない感じ。
あなた

でも、新しい人生、やり直せたのに、、、よかったの?






そんな、、、



そんな悲しそうな目をすることがあるんだな、、、



あなた、お前だって、オレを忘れたんじゃねーの?



オレは、そんなこと思わない。



あのまま、オレを忘れたまま、藤ヶ谷と、暮せばよかったじゃん?とは、思わないよ。






高橋くん
高橋くん
あなたが居ないと、オレ、どうしてこんなとこに居るのか、わからなかったんだ。
あなた

今はわかったの?

高橋くん
高橋くん
脳の研究してるんだよ。海馬のゼミがある、だからここにきた。
あなた

あたし、関係する?

高橋くん
高橋くん
あなたの、、、
あなた

なに?

高橋くん
高橋くん
もう、しないよ。
あなた

ん?クスリ??

高橋くん
高橋くん
あなたの頭の中から、オレを消して、オレの頭の中からあなたを消そうとしてた、、、
あなた

え!?

あなた

それが、楽にしてやるってやつ?

高橋くん
高橋くん
うん、、、幸せになれると思わない?






一時期のオレのように、あなたの目から涙が溢れた、、、



あなた

ごめんね、、、あたし、そんなんじゃ、忘れない

あなた

あたし、、、

あなた

もう高橋くんから離れたくない









かわいい😍😍😍

もう、死んでもいいとさえ、思える瞬間だった。





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