『やっぱり、あなたちゃんやと思う』
長い梅雨空の下、金指からLINEが来た。
『昨日、太陽工業行ったの。そこの食堂で働いてる』
『石倉って名前つけてた』
ぎゃははは!!!
オレは冷静に考えてなど、いられなかった。
近い、、、またぐちゃぐちゃになる日が来る。
藤ヶ谷に最後にあった日、、、あいつ、、、
『オレたち』じゃなかったんだよな、、、
耳障りだったんだよ、、、
あの時、聞けばよかった。
あの日、聞けばよかった。
あなたは、どーしてる?
あなたは、どーすんの?
あなたはどうしてるの?
あなたは、なんで石倉なの?
ただ、藤ヶ谷が考えてるだけなのかなとな、ごまかしてきたけど、、、そーゆー事なんだよな?
夏休みに帰って、会おうと思った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!