~あなたside~
まだ陽も昇り切ってない明け方
起床しろとうるさいアラームを大人しくさせれば隣で眠ってる紫耀が唸りながら寝返りを打つ
ぁ、やば、起こしちゃったかな
私に背を向けた紫耀の顔を覗き込んでみると、まだ気持ち良さそうに眠っていた
セーフ
こんな朝早くに起こさなくて良かった
ま、あんだけ遅くまで激しく身体を動かしてたんだからアラームの音でなんか起きるわけないか
ただでさえ紫耀は寝起き悪いんだし
しかしちゃんと起きれた私を褒めて欲しい
昨晩はシないで寝ようと思ってたのにスタミナが充分回復したからとかくだらない理由で結局は付き合ってあげたんだから
と、痛む腰を擦りながら私は朝早くから予定している電波ジャックのため、ベッドから抜け出した
____
身支度を整え、さてそろそろ行こうかと玄関に向かおうとすると、寝癖で爆発した頭をガシガシ掻きながら寝室から紫耀が出て来た
と笑い合いながら近寄って来た頭に手を伸ばせば手櫛でその爆発を鎮めてあげる
すると紫耀はその手を掴むと私の腰を引き寄せ、ギュッと簡単に腕の中に閉じ込めた
ギュッと腕の力が強まったと思ったら首筋に埋まる紫耀の頭
途端にチュッと濡れた音が玄関に響き、思わず肩がビクッと跳ねた
一瞬顔を上げニヤッと笑ったド変態
すると首筋を啄んでただけの行動はどんどんエスカレートし、気付けば背中は壁に押し付けられていた
首筋を這う熱い舌の感触にゾクゾクと身体が勝手に反応してしまう
そんな熱に侵されながらも脳内ではスケジュールの確認や時間を逆算したりと必死だ
膝をこじ開けられれば股間部に押し付けられる紫耀の太もも
そして勝手に揺れてしまう私の腰
耳元で響く掠れた低い声にキュンと下腹部が疼いた
もう淫乱でも何でもいい
今すぐに紫耀のおっきくて硬い熱で掻き乱されたい
紫耀が欲しい
そう口にしようとしたと同時に抱き締められてた腕が離れ身体が解放されてしまった
違うっ!!
そのダメじゃないよ!!
もう我慢出来ないって意味だよ!!
なんて私の気持ちは届かずに、紫耀は私の唇を吸うように短くキスを落とせば、行ってこいと促して来た
とニヤッと口角を上げた紫耀
それはまるでお預けな?と言われてるようで…
熱を篭らせた身体のまま家を出た私
明け方のまだ冷たい風を浴びても、その熱は中々冷めてくれなかった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。