びびくんは肩を上下させながらいった。
見られちゃったなぁ。びびくんに俺の醜い姿。
過去にとらわれて。
気持ちの制御すらできなくなって。
俺は少しでも俺を隠そうとニセモノの笑顔を貼り付けた。
あれ?
失敗かな?
今ならびびくんが言ってたことがよく分かるなぁ
スマイリーに迷惑かけて、
びびくんに心配かけた。
俺なんて大っ嫌いだ。
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俺がこーくの家に着いた時には、こーくは俺に見せたことのない顔をしてた。
スマイリーはさっきの暑さで頭がまわらないのか、赤く火照った顔でこーくをぼーっと見つめていた。
俺が彼の名前を呼ぶと、やっと振り向いてくれた。
こんなこーく、初めて見た。
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そう言ってびびくんは俺の前に小指を出してきた。
いいの?
こんな俺でいいの?
俺の頭はまだそんなことを考えている。
俺はびびくんの小指に俺の小指を絡ませて笑った。
心の底から、笑った。
ようやく元に戻ったスマイリーが口を尖らせていってきた。
プルルル…プルルル…
【スマ、イリーく…た、助け…ブツッ】
こーくが心配そうに言ってくる。そらびびさんも眉がどんどん下がっていく。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。