第3話
俺はイボじゃない 2
部屋にリュックを置いて 、ふとスマホに目線を移すと 、
母からLINEが来ていた 。
「今日友達とランチ行きます 夜には帰る!」
との事だ 。
母が帰ってきた 。
.
ヘアカット用のはさみが目の前に来る 。
部屋の光が銀色のはさみに反射して光る 。
そして俺の目が少し眩む 。
白く光る視界に 、剣 … 剱が自分の方へ向く光景を見る 。
そしてそのまま俺の腹目掛けて ____
思わず椅子から転げ落ちると 、我に返る 。
自分でも何をしたのか分からない 。
どちらにしろ剣が俺に……刺さる光景を見て ……
散髪用に置いた鏡を見る 。
…さっき切らなかった長い髪は何かと役に立つかもしれない。
あの光景がもし正夢だとしたら 、
自分の身が危ない 。
だから俺は ______ 静かに生きる事にした 。
長い前髪で目元は隠せるし 、サイドの髪も 、
伸びてきているから近くまで来ないと顔は見えないだろう 。
.
登校して数日しか経ってないのにイボで定着してる …
まさか私の精神を削る為にこんな酷い呼び名を … ???
だとしたら気にせずいよう … 簡単に罠にハマってしまっては駄目だ!!!
… まあ言い間違えたのが原因だけどね ………
〜 設定メモ 〜
二重人格です 。
日常的に人格が行ったり来たりしますが 、
偶になんかの拍子で変わることがあるそうな 。
転生前(イボ)の一人称は 私 です 。
少しナルシストですがそこそこ大きい国の皇子でした 。
その為転生前の人格になった時は急に転生した事を敵の策略だと思い実を隠すため陰湿に生きようとします 。
でも第1皇子であるが故 、自己肯定感や我を突き通す性格でずっといたため 、中々変えることは困難でした 。
転生後(窪田)の一人称は 俺 です 。
所謂陰キャで語尾に…が着くことが多いです 。
元気ない喋り方になった時は窪田の人格だと思って下さい 。