やや重いドアを開けて、一号館は入る。
そして、館内の地図を見つけた。
この地図には、どの分類があるかなどが記されたものだ。
本の番号は書かれていない。
んー、どこだろう。
古文、漢文、天文学…
確認してみるものの、ここには無いようだった。
一号館を出て、次は二号館へ向かう。
どんどん行かないと時間がなくなっちゃう。
もうすでにお昼過ぎ。
早足で二号館に着き、地図を見る。
ここだ。
私は館内にある階段を登り、図鑑のある棚に行く。
いいペース!
よし、目次から探して…
今は5月だから、咲いているはず。
でも…日当たりがよくて、水はけもいいとこなんて沢山ありそうじゃない…??
ん………………?
待てよ?
私は支給されたスマホのメールをもう一度チェックする。
「物語に出てくる花を校内から見つけ出せ。」
“校内”……なら、どこでもいい。
ってことは、別に土があってそこに咲いてるものじゃなくてもいいってことだよね。
なら…!!
私は急いで、和也のいるホールに戻り、ステージに登った。
ステージを彩っている花の中にかすみ草があった。
ゲームが始まる前、たくさんの花が飾ってあり、綺麗だなと思っていたのを思い出した。
かすみ草があるかどうかは分からなかったけど
私は写真を撮って、本部にメールで送信した。
わぁ!っと会場が盛り上がった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。