ー放課後ー
よし。
生徒会室に行こう!!
ちゃんと断らないとね!
あ、その前に神坂に遅くなるって言わないと。
私は、車で迎えに来てくれている神坂に連絡を入れて、生徒会室へ向かう。
生徒会室のドアを前にして、急に緊張して来た。
な、なんか、なんて言ったらいいんだろう。
「生徒会にはなりたくないんですけど。」
いやいや、なんか生徒会を批判してるみたいじゃん!
「ちょっと、色々忙しくて…」
待って、和也も居るんだから、暇な事バレちゃうじゃん!!
んーっ、どうしよう…
振り返ると、ゆかり先輩が立って居た。
…ん?
なんで和也って言ったのかな?
私は、ゆかり先輩に背中を押されて生徒会室へ入る。
入って正面に和也が座って居た。
それから、結城先輩、千景先輩、春馬くんが座っていた。
…みんないる。
なっ!!
あ…やば。
みんなの前では、ちゃんと敬語にしないとダメだった…。
…ん?
まてよ?
和也が王子様キャラじゃない…。
いや、でも、生徒会のみんなが知ってるのはあり得るよね。
って事は、私と和也が…
私は、もう一度言う。
ゆかり先輩が残念そうに言う。
え、ねぇ、これって演技?
曖昧な返事をする。
ちょっと話がよく見えないんだけど…
その一言で私はキレる。
んー、でも、そうは言っても…
あぁ!そうだよ!
今年やったら、来年もやらなきゃ行けないじゃん…
そう言って器用にウィンクする。
こう言って、女を落としてきたんだろうなぁ。
でも本気っぽい言い方してる。
すごいなぁ。と、感心した。
あっ…
…な、なんか、春馬くん、黒くないっ!?
…ど、どうしよう。
…あっ!!!
今、「やります!」って言っておいて、ゲームでグダグダになれば大丈夫なんじゃない!?
ゲームに負ければセーフなんだよね!?
まぁ、ここまで言わなくても良かったかな?
すると、和也はポケットから何か取り出した。
和也は、ニヤッとして再生する。
私のさっき言った言葉が繰り返される。
私は、何があったのかすぐには理解できなかった。
…このーっ!!!
私は、生徒会室を出て、神坂に連絡をする。
電話を切り、私は正門へ向かい、車に乗った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。