第5話

生徒会室にて
3,430
2018/02/03 14:41
ー放課後ー
あなた

美咲!じゃーね!

美咲
さようなら〜
よし。


生徒会室に行こう!!

ちゃんと断らないとね!

あ、その前に神坂に遅くなるって言わないと。

私は、車で迎えに来てくれている神坂に連絡を入れて、生徒会室へ向かう。




生徒会室のドアを前にして、急に緊張して来た。

な、なんか、なんて言ったらいいんだろう。

「生徒会にはなりたくないんですけど。」

いやいや、なんか生徒会を批判してるみたいじゃん!

「ちょっと、色々忙しくて…」

待って、和也も居るんだから、暇な事バレちゃうじゃん!!


んーっ、どうしよう…
ゆかり
あれ?あなたちゃんじゃない!
あなた

えっ?

振り返ると、ゆかり先輩が立って居た。
あなた

あ!ゆかり先輩!

ゆかり
はぁーい!
それより、どーしたの?
あ、和也に用事?
あなた

あっ、いえ…和也じゃなくても…

 …ん?

なんで和也って言ったのかな?
ゆかり
まぁ、とりあえず入りなよ!
私は、ゆかり先輩に背中を押されて生徒会室へ入る。
あなた

えっ、えっ?

あなた

うわっ!

入って正面に和也が座って居た。

それから、結城先輩、千景先輩、春馬くんが座っていた。


…みんないる。
和也
やっぱり来たか。
なっ!!
あなた

そう言うなら、私を推薦しないでよ。

和也
仕方ないだろ。
あ…やば。

みんなの前では、ちゃんと敬語にしないとダメだった…。
あなた

そ、そんな事言わないでください!
私、正直やりたくないんです!!
色々忙しくて…

和也
なに嘘ついてんだよ。
暇だろ?つか、なんで敬語なんだし。
…ん?  

まてよ?

和也が王子様キャラじゃない…。

いや、でも、生徒会のみんなが知ってるのはあり得るよね。

って事は、私と和也が…
和也
あぁ、こいつらはもう知ってる。
結婚した事。
あなた

あ、そ、そうですか!

和也
なんでまた敬語?
あなた

いや、別に!
とにかく、私やりたくない!

私は、もう一度言う。
ゆかり
あらぁ、私はあなたちゃんにやって欲しいんだけど…
悲しいわ…
ゆかり先輩が残念そうに言う。

え、ねぇ、これって演技?
和也
宮本、やめろ。
もうふつーに言うぞ。
ゆかり
おーけい。
ぁ、でも、あなたちゃん。
一緒に仕事したいのは本当よ?
あなた

は、はぁ。

曖昧な返事をする。

ちょっと話がよく見えないんだけど…
和也
俺も、正直、お前がなってくれると助かる。
あなた

な、なんでよ。

和也
便利だから。
その一言で私はキレる。
あなた

はぁ!?
何が?

和也
うるせーよ。わめくな。
あなた

早く言ってよ。

和也
お前がなってくれれば、一緒にあれこれしても別に目立たない。
あなた

別に、結婚してることバラさないんだから平気でしょ。

和也
そーゆー問題じゃない。
もしなんかあった時に面倒だろ。
春馬
念のためだよ〜
仕事はほとんどゆかりちゃんがやってくれると思うし!
あなた

春馬くん…

んー、でも、そうは言っても…
ゆかり
そーよ!
まぁ、基本的な事は、来年に引き継いで欲しいから教えるけどね!
あぁ!そうだよ!

今年やったら、来年もやらなきゃ行けないじゃん…
千景
俺もあなたちゃんにやって欲しいな〜!
あなたちゃんのこと好きだから。
そう言って器用にウィンクする。

こう言って、女を落としてきたんだろうなぁ。

でも本気っぽい言い方してる。

すごいなぁ。と、感心した。
結城
あなたちゃんどう?
やって見ない?
あなた

えーっと…。

春馬
まぁ…そうだよね…。
みんなきっと生徒会なんてやりたくないんだよ。
そっか…そんなに魅力的じゃないんだ…
もっとみんな頑張らないと…
あなた

ちょ、い、いや!待ってください!
みんな、生徒会には憧れてますし、入りたいっ!って思ってくれる人も沢山いますよ!?

春馬
本当に…?
あなた

本当ですよ!!
私だって!…

あっ…
春馬
ふーん、
「私だって!」って事は、「私も生徒会に憧れてます!入りたいです!」って事だよね…?
…な、なんか、春馬くん、黒くないっ!?
春馬
だよね??
…ど、どうしよう。


…あっ!!!

今、「やります!」って言っておいて、ゲームでグダグダになれば大丈夫なんじゃない!?

ゲームに負ければセーフなんだよね!?
あなた

や、やります!
ゲームやります!
生徒会になりたいです!!

まぁ、ここまで言わなくても良かったかな?
和也
よし、言ったな?
すると、和也はポケットから何か取り出した。
あなた

なっ!ボイスレコーダー!

和也は、ニヤッとして再生する。
あなた

『や、やります!ゲームやります!生徒会になりたいです!!』

私のさっき言った言葉が繰り返される。
和也
「生徒会になりたいです!」
この一言を忘れるなよ…?
私は、何があったのかすぐには理解できなかった。
和也
んじゃ、明日から、そのための準備として、毎日レッスンやら詰め込むからよろしく。
あなた

な、なんで!?

和也
なんでって?お前が言ったことを叶えてやろうと言ってるのだ。
生徒会になれるようにな。
…このーっ!!!
あなた

ひねくれ者め!
ドS!
なんでこんなやつが生徒会長なのよ!

和也
俺が完璧だから?
あなた

も、もう、うるさい!
帰る!!

私は、生徒会室を出て、神坂に連絡をする。
あなた

今から帰るからっ!
早く来てっ!

神坂
あなた様、落ち着いてください。
あとでお話をお聞きしますから。
今すぐ行きます。
電話を切り、私は正門へ向かい、車に乗った。

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