望葵side

放課後、私が向かったのは

莉子のお墓。

莉子が死んだのは中学3年生になってまだ少しかたってなかった5月24日。

あの日、莉子は死ぬ前に私に電話をくれた。

(📞ﾄｩﾙﾙﾙﾙﾙ…

『もしもし、莉子？』

                                「望葵...ごめんね...」

そう言う莉子の声は震えていた。

『莉子？どうしたの？』

                                 「私もう、、たえられない、、、」

『え、ちょっ、莉子？急にどうしたの？』

                                          「望葵？私はずっと望葵のそばにいるよ、どんなときも」

                              (ﾄﾞﾝｯ)

電話の向こうから鈍い音が聞こえた。

『莉子？莉子...！』

                              「望葵、、いま、まで、、ありが、とう、、、」

『莉子！莉子...！！』

そう言い残すと莉子の声は聞こえなくなっていて私は頭が真っ白になった。

莉子はビルの屋上から飛び降りて自殺していた。

莉子が飛び降りたビルの屋上。

そこは小学生の頃から放課後、莉子と行っては他愛もない話をして、

笑ったり、泣いたり...

いろんな思い出がつまった場所。

莉子と私は幼稚園の時からの幼なじみ。

いつも一緒にいた。

それなのに私は莉子のことをなんにも分かっていなかった

莉子はいつも笑顔で優しくて、キラキラしてて、、、、

私が辛い時にそばにいて抱きよせてくれて...

私はそんな莉子が大好きだった。

だけど、そんな大切な人の笑顔を守れなかった。

(((ง  ˙-˙  )))ว

康二くんは莉子のお兄さん。

莉子の自殺の原因は父親からの暴力で、康二くんもと母親も暴力を受けていたらしい。

でも康二くんも莉子もそんなことはひとつも言ってなくていつも笑顔でいてくれた。

莉子が自殺してから、両親は警察に事情を聴かれ、父親は虐待・母親はそれを止めなかったことで逮捕された。

康二くんとわかれ、私は家に帰った。







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