バレー部の朝練が終わったのだろう、
ボールの弾む音が無くなり
話す声が小さくなっていく
あと15分でチャイムが鳴る、
戻らなきゃ
そう思いドアを開け女子トイレから出る
外に出た瞬間目の前には"大好き"なあの人
大好きで
愛おしくて
でも今は会いたくない人
鉄朗が立っていた
鉄朗:「おじょーさん、」
あなた:「なんでここに?」
鉄朗を見た途端涙が溢れてきた
鉄朗:「なんでってねー、自分の好きな女が落ち込んでて来ない男はいないでしょ?」
"好きな"女?
あなた:「……だ、 ……に、…。」
鉄朗:「おじょーさん、?」
あなた:「嘘だ!浮気してる癖に!……」
鉄朗:「おじょー、、、さん…?」
いつものようにへらっと笑う鉄朗が今日は嫌だ
あなた:「鉄朗なんか嫌だ!嫌い…嫌い!大っ嫌い!!」
そんなの嘘、
嫌いになんてなるわけない
嫌いになんてなれるわけない
だけど、これといった趣味もなく鉄朗のため"だけ"に生きてきた私は
突き放して、、、これから何を目的に生きればいいんだろう
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。