第17話

兄妹の試合
1,130
2020/07/05 07:08
「準備えぇか?」

『うん』

「俺らの相手は…」




第4回戦

烏野  菅原&道宮&日向

稲荷崎  宮兄妹



『もう"宮兄妹"でまとめられとるな』

「間違ってはないけどな」

「まぁえぇやん」





「スガさん‼︎」

「よっ,日向!」

「よろしくね,日向くん」

「よろしくお願いしますっ!」

「よろしくな,道宮!」

「うん!」






「では,第4回戦目を始める!菅原,宮!」

「「『はい?』」」

「侑の方,な…」


「「よろしくお願いします」」


「よーい,始め!」




「まずは烏野チームからのサーブか」

「道宮がサーブに入ったのか」



『サム兄』

「おう」


「うっ!」バンッ


「止められたか」

「日向,ブロック行けー!」


「行くで,あなた!」

『任せな!』



来ると分かってても…



『…よっこら…』

「!」

『しょ!』バンッ!



怖すぎる‼︎



「1点…」

「落ち着けよ,日向ー!」


「落ち着け…落ち着けるのかな…」

「そうだぞ日向。落ち着け」

「日向くん1人じゃないんだからね」

「はいっ!」






「次どうする?」

「…あなた」

『ん?』

「"変わってくれ"」

『…分かった』




「あの兄妹の試合ってどんなものなんだろうな」

「男子と女子が1つのコートに入るってなかなか無いからな」


「あの兄妹の試合は_」


「北…」


「まず,1点ずつ確実に決める」

「1点ずつ…」

「そして1番は_」



『行くで』

「おう」


まずは,ワンチさせてチャンスボールを与える


「日向!」

「チャンスボール!」

「道宮,回して!」

「OK!」

「日向,行くぞ!」

「はい!」

「ほっ!」

「おらっ!」バンッ!



「ツム!」

「はいよっ!」



ダッ!


「え?」




「あなたさんが,」

「前に出た?」



「全く予測が出来やん。あいつらは目だけで,動きが分かるんや。3人の絆は本物や」



「拾ったチャンスボールをそのまま打つつもりか⁉︎」

「だったら,俺と日向で!」

「やりましょう!」



『甘いなぁ…』


そう聞こえた瞬間,あなたさんは,

"青い女王蜂"の針スパイクを打つ為ジャンプするかと思えば,セッターポイントに入った。


「は?」



『本命は,』

「「こっちや」」


セッターポイントに入った途端,双子が跳んだ。

どっちだ,どっちに打つ⁉︎


「…!」

「マズい_」

「菅原!右‼︎」

「!」


道宮さんがそういうとスガさんは,侑さんの方に移動した。


『観察力が,上がったな』


この距離なら,スガさんの手が届く

そう思った。

でも,駄目だった。


『ぽいっ』


「へ…?」


あなたさんは,ツーで返した。


「1点…」

「入った…」

「な,」

「「なんだあれー⁉︎」」



「今のは,どっちかに回しても良かったんやろうけどな」

「ほんまに,行動が読めん」


「打ちたかったんに!」

『ごめんて』

「予想したったクセに」

「な,そんなわけないやろ!」

「嘘下手やな」

「なんで分かんねん⁉︎」

「うり2つやん,俺ら」

『喧嘩しないでね…?』

「「はい」」



「相変わらず怖いんやな,あなたちゃん」

「1点ずつ確実に決める,そして全く行動が読めない…」

「どうする…⁉︎」

「日向…」



「全く行動が読めないんじゃ,日向が1番嫌いなタイプだな…」

「菅原,どうする?」

「うーん…」

「スガさん,道宮先輩!」

「「ん?」」

「俺に1つ,考えがあります!」




「向こうサーブや」

『私止める』




あなたさんはサーブとかスパイクとか,どれかが正確とかじゃなくて,全てが的確。

でも,"弱点"がないとは言ってない。



「行きまーす!」

「ナイスサーブ!」


『ツム兄!』

「おう!」

「ツムー」

「ほれ」

「っ!」ダンッ



侑が崩しても,双子の治がカバーする

その2人を合理に,そして誰よりも信頼する妹。



「道宮先輩!」

「うん!」



『…!』

「止めたか…」

「チャンスボール!」

『ツム兄,サム兄!』

「任せな!」

『っ!』



「よし,このまま…」



『おらっ!』バンッ!

「もらったぁぁ!」

『⁉︎』

「せんぱーい!」

「行くよー!」

「来い!」

「行きまーす!」





バンッ!




「よし…」

「日向のチームに,入った!」

「「いいぞ,日向ー!」」




「なんや,あれ」

『…』

「どうしたん,あなた」

『私ら今,あのチームらの手の中でもて遊ばれとったんや』

「は?」

「どう言う事や?」

『私が前に出るのを狙って…』

「前?」

「確かに今,あなたが打った後に翔陽くんが決めたけど…」

『私が前に出て,私がツム兄らを信頼して前に出ると分かって,後ろに打った。私が着地した後に拾えへんところを狙って,サム兄を標的に変えた。』

「つまり,あなたからサムに潰す標的を変えたって事か?」

「あなたを捨てた」

『へぇー…』



「おい,サム…」

「無理や…」



『えぇ度胸しとるやん』












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