ピーンポーン
「おう。皆お揃いか?」
「はい!」
「んじゃ,入りな」
「「『お邪魔しまーす!』」」
「あらあら,もう来たんやね〜。後ちょっと待っとってもろてえぇかな?」
「「「もちろんです!」」」
『おばあちゃん,何か手伝おか?』
「えぇよ,あなたちゃんも合宿で疲れとるやろ?」
『えぇねんえぇねん,疲れるんはいつもの事やし,私おばあちゃんの事大好きやで,いっぱいお話ししたいんや』
「そう?ほな,一緒におむすび作んの手伝ってもらおうかね」
「あなたちゃんはほんまにすごい子やな〜」
『え?』
「家事も勉強も運動も出来て,おまけに美人さんで,あなたちゃんがお嫁さんになった時の旦那さんは幸せもんやな〜」
『そうですかね…//』
「最近はどう?学校も部活も,上手くいっとるんか?」
『……はい,絶好調です。』
「それは良かったなぁ。信介達はどうや?皆仲良おしとる?」
『仲がいいのは元からですし,暇がないと思いますよ。私も皆の面倒を見るのが楽しいです』
「あなたちゃんは,皆から愛されとるなぁ」
『はい!』
「なんか,もう1人の孫と話しとるみたいやわ」
『私もです笑』
「北ー,お前の箸これやろー?」
「…」
「おい,北ー?」
「え?」
「なんや,さっきからぼーっとして」
「見てみぃ」
「?」
「ばぁちゃんが幸せそうに笑とるわ」
「ほんまやな」
「あなたちゃん,本当にすごい子や…」
「ふふっ。でも,孫と話しとるんでもえぇけど,孫の未来のお嫁さんと一緒に料理するって言うんもえぇかもなぁ」
『え⁉︎』
「あなたちゃん,びっくりし過ぎやで〜」
『だってそりゃ…//』
「冗談や。あなたちゃんはちゃんとした相手見つけるんやで」
『は,はい!』
「ふふっ」
「あなたちゃん,おばあちゃんにいじられとる」
「(さっきの,"孫の未来のお嫁さん"ってどう言う事や?)」
・
・
・
「おい,ツム」
「…zzz」
「こいつ,今から飯やってのに寝やがった…」
「北さん」
「ん?」
「ツムが寝ました」
「……まぁ合宿終わりやでな…ばぁちゃんらが終わるまで寝かしとき」
「はーい」
『皆ー,できたでー!』
「「「わぁい‼︎」」」
・
・
・
「腹いっぱいや…」
「歩けるかな…」
「限度ってのが2人にはないの?」
「「だって腹減ったったんやもん…」」
「へー。(そこまで双子だからって合わなくても…)」
『ツム兄,サム兄,早よ持って来てな!』
「「はいはーい…」」
『やないと,アイス抜き』
「「持って来まーす!」」
「(あなたちゃん,犬使いみたい)」
『今日はありがとうな,おばあちゃん』
「いえいえ。皆もお疲れさん」
『北さんもありがとうございました』
「おう,こちらこそありがとうな」
『はい』
「ばぁちゃん,後は俺らに任せな。向こうで休んどり」
「はいはい,ありがとうね」
「あなたちゃん」
『…』
「女バレのキャプテンやるんやろ?」
『なんでそれを…』
「なんとなく,そんな気がした。迷っとるって聞いて,急に笑顔になったから」
『…はい。キャプテンやります』
「そうか。難しい世界やないのはあなたちゃんも分かっとると思うけど,頑張りぃな」
『はい…!』
「俺らはもうすぐで引退や。いつまでもあなたちゃんに不満をかけることになるけど…男子の方もよろしくな」
『それは任せてください。ツム兄らがいる限り,安心できませんので』
「そりゃそうやな」
『…ありがとうございました』
「何がや?」
『北さんのおかげでもあるんです。キャプテンやろうて決めたんは』
「俺の?」
『"1人じゃない"って"いつでも待っとる"って言ってもらって,すごく肩が軽くなったんです。更に重くなるかもしれませんが…』
「大丈夫や。あなたちゃんなら出来るで」
『はい!』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。