シュッ
グルッペンはギリギリのところでその剣を避けるが…
ゾムのものすごい殺気を感じていた。
トントンがグルッペンの腕を掴み、会議室から飛び出していく。
ほんの数秒の沈黙。
次の瞬間には…
バタッ
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水、炎、電気、風、闇、風……沢山の異能力が仲間を傷つけるために使われていく。
最恐の異能力者は自分を見失ってただひたすら殺気を放つ。
残りは2人…………
でも、もうタイムリミット。
バイバイ。
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ゾムside
目の前の人たちなど知らない。
俺が支えているのは⚜️国総統。
「仲間」なんて知らない。
皆、敵なんだ。殺されるくらいなら、殺してやる。
何も知らない。
俺は、ただ殺戮ショーをするだけの操り人形だから。
(思い出せ!僕の能力は大切な人を守るためにあるんだ!)
俺が知らない「僕」が喋る。
違う!俺に大切な人なんていない!
ショッピだって俺の協力者であるだけだ!
人の優しさなんて知らない!
プツッ
操り人形の糸が切れたみたいに俺はその場に崩れ落ちた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!