最後の手段。それはみんなを生き返らせる手段。蘇生ということだ。
まさか、この手段を試す日が来るなんて思っていなかった。
だって…
この手段は異能力者に対してのみ使えるものであり、代償として自分の異能力を失う。
例えば、炎🔥の異能力を持つ者を蘇生するとしよう。
その場合、蘇生させる者が炎の異能力を失う代わりに、蘇生させられた者は無事、生き返る。
つまり、、、
目の前のみんなを蘇生させたら、僕らは異能力者じゃなくなる。
シッマで記憶、鬱先生で水、トントンで炎、ロボロで予知、シャオロンで電気、チーノで風、エーミールで創造、オスマンで転移、ひとらんで破壊、グルッペンで闇、ぺ神で治癒、兄さんで束縛の異能力を失ったら、僕たちに残る異能力はないから。
また、光の異能力は、他の全ての異能力を持っていることで得ることができる特別な異能力だから、それも失ってしまうのだ。
ちなみに、失敗する可能性もある。
失敗したら、僕たちまで死んでしまう。
ショピ兄に手を差し出す。
ショピ兄は僕の手の平に手を重ねる。
最後の異能力。
重ねられた手から光が溢れる。
部屋中が虹色の光に包まれて、とても綺麗。
また、みんなと笑い合う日々を夢見て、手を伸ばす。
仲間の方へ。僕たちの大切な宝物の方へ……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。