前回の次回予告共に、今回の題名の変更についてのお知らせ。
諸事情により、
【訓練】
から、
【確認】
へと変わりました。
ご了承ください。
それでは、本編です。
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ほぼ全員が日夜に振り向いた。
ガタガタと震えていた。
怯えていた。
声を発しながら、日夜はポロポロと涙を零す。
考えないようにしても無駄と言うことを今、教えられたような。
そんな気分になる。
楽しかった日々も、辛かった日々も、
学校へ来て、友達と会って、先生に授業を教わって、先輩を尊敬したり、嫌ったり。
沢山思い出をつくった。
それが1年生だとしても3年生だとしても、思い出があるのは変わらない。
そう言って、重は日夜に手を差し伸べる。
ポロポロと流れる涙止まらない。
止まらなかったけれど、日夜はそれを袖で拭って、重が差し出した手を握った。
そう言われた瞬間に日夜はゆっくり重に抱擁された。
嗚咽も、短い呼吸も何度も繰り返しながら、日夜は重にお礼を言った。
…
茜と六花は箒と折れた鋭い竹刀を持って屋上へ。
重と麗が階段の(机の)バリケードの前で待機する。
茜が『行こう』と言い、六花と共に出発。
バリケードを登り、上からジャンプで降りたかと思えば、すぐに走って階段を登って言ってしまう2人をみると、改めて運動神経が良いなと感じる。
…
階段を音をたてないように登れば屋上の廊下。プールへの扉の前へ行き、見える範囲に何も居ないことを確認。
この時だけ、扉についている小窓が くすみガラスでなくて良かったと感じる。
床も一応確認。
見える範囲では血も、ゾンビの存在も確認出来ない状態で、ゆっくりと扉を開ける。
六花の方へ向いてジェスチャーで会話を始める。
頷けば、すぐに六花は走り出す。
少し奥まで行ったら振り向いて居ないことを示す、ジェスチャー。
プールの用具入れは、鍵がかかっているし、どれだけ扉を叩いても反応がない。
ゾンビたちが居ないことを確認して、次は更衣室の確認をする。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!