〜玲side〜
あの日、俺は丁度怪我をしていた。
詳細は……まぁ、今はまだ聞かないでくれ。
そしてその日は、雪が降り積もっていた。
俺は【バケモノ】。
人間の様な痛覚などは存在しない…感情も。
痛覚などがなく、不老不死。
大雪の中、寝たところで凍え死ぬ訳でもない。
……こんな事で死ねるならこれまで苦労してない。
だから、血が止まらない傷も、降り積もる大雪も、
全て放置し、眠りについた。
そして、目が覚めると
『 あ、起きたのか!?良かったな!
あんな雪の中寝てて凍え死なないなんて、
お前は運が良いな!! 』
起きた瞬間、朱色の髪の男にそう言われた。
憎んでいた人間を前にした俺には…
完璧に殺気を隠す余裕なんて無かった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。