前の話
一覧へ
お母さん、もう止めて…私、苦しいよ。
なんでそんなことするの?お願い、止めて、止めてよ。
無機質な、デジタル時計のアラームで音で目が覚める。
パジャマが不愉快な汗で体に張り付く。何の夢を見ていたのだろう。
思い出せそうで思い出せない、夢。あと少しで思い出せる。そう確信した瞬間、靄が掛かったように、記憶は曖昧模糊になる。
食パンを咥えて、勢い良く家を飛び出す。と、ここまでは想定通りだ。まったく、父も母も愚かなものだ。
コイツの名前はススム。進○模試の5科目総合偏差値が38の、正真正銘の馬鹿。私のような高貴な人間は、付き合う友人でさえも選ぶ。コイツは『切る』
学校に着いた。また、いつもの日常が始まる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。