出たところで行くところもないので、言った通りにトイレへ入ると、
こんなことに。
事の始まりは数秒前。
目の周りが真っ黒で人工的なまつ毛がバサバサしているギャル3人が、私のことを取り囲んだことで始まった。
まぁ予想はしていた。
彼らに初めてあったときもキャーキャー騒がれていたし、女の嫉妬は酷いから、こういうことは起こりうると思っていた。・・・起こるのが存外早かったけれど。
バサバサバサバサバサバサ、暑苦しいまつ毛が鬱陶しい。
語尾を伸ばすキャラもジミンとホソクの2人居れば十分だ。
2人だけでもイライラするのに。
キャハハと甲高く笑う声が耳に障る。
私がブサイクだろうが黙ってようが、全く関係ないだろうに。
この状況をどうしてくれよう、と考えていると。
ジミンが声をかけてきた。
そう言って私の肩をドンと押した。
言われるがままにトイレから出ると、やっぱりジミンの姿があった。
ジミンにきかれたけど、別に私は告げ口しようとも思っていない。
実際何もされてないし。
頬を膨らませて歩くジミン?
彼なりに心配してくれていたのか。全く気づかなかった。
一応お礼を、と思ったのに。
そう言うなり、急に走り出してしまうから。
結局ジミンにお礼を言うことは出来なかった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。