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第68話

🖤
人と人が殴り合う瞬間など、目の前で見たことがない。


見たくなんて、なかった。


それでもジョンハン達の事情を聞いてしまった私は、きっと止めるべきなのにそれさえ出来なくて。


どちらにも傷ついて欲しくない、なんて綺麗事に過ぎないんだろうか。目の前の出来事をとめることも出来ず、ただ見ているしかできない私は、なんて滑稽なんだろう。


ジミン
ジミン
・・・っ、あなたちゃん!!



バタン!と大きく音を立てて開いたこの部屋の扉。


顔を見せたのは、生徒会の面々。


・・・1つ、確かなことがある。


それは、彼らが身体に傷をつけているのは、"私のせい"だということ。私が平穏にこの部屋でジョンハンと過ごしている間、彼らは必死の形相で私を助けようとしてくれたのだ。


傷つくことも、厭わずに。


ジョンハン
ジョンハン
っおいおい、全員集合かよ。ウチのヤツらだって相当鍛えてんだぜ?



それでも、心なしか楽しそうに見えるジョンハン。


罪悪感ばかりが、だんだんと募る。


実感がなかったんだ。人が傷つけあうことの。


私はきっと真綿に包まれたような生活しかしてきていない。


『トップになりたい』といったジョンハンの言葉が、今更になってこんなにも苦しい。


目の前の人の抱える"理由"なんて、考えもしなかった。


深く関わって来なかった5人の身体に傷がついてしまったことがどうしても痛い。


テヒョン
テヒョン
あなた、すぐに助けてやるから、待ってろ



助けに来てくれなんて、思わなかったの。


私のこと、"助けよう"と思ってくれるなんて、想像もしていなかった。


結局私は、いつまで経っても自分のことだけで。


周囲の気持ちなんて考えようともしていなかった。


ジョンハン
ジョンハン
・・・っ!!



眉を寄せて、ジョンハンが片膝をつく。


あぁ、テヒョンが勝ったのか、と。呆然と思った。




















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