頬ずえを着いたまま挨拶をすれば、
そのあどけない顔にその表情はにあっているけれど、
その言葉に眉をくっと寄せると、ジミンは人差し指で私の眉間に柔らかく触れた。
探るように、じっと瞳の奥を見つめられる。
仲良く、なんて。
頷きながら、触れていた指をそっと離す。
面と向かって拒否したんだから、これ以上関わってこないだろうと思ったのに。
満面の笑みで、ジミンは言った。
どこからそんな自信が湧くのか。
色んなことに反論したかったのに、ちょうど鳴り響いたチャイムのせいで、何も言い返すことが出来なかった。
"仲良くなる"という言葉を実現するかのように、ジミンはそれから必要以上に話しかけてきた。
トイレを口実に彼から逃げようと立ち上がると、
とまで言います始末。
絶対にやめてと言い放ち、足早に教室を出た。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。