朝、投稿すると校門の前に、
男子生徒の群れがいた。
きょろきょろと周りを見渡しても、彼らの目線が据えているのは間違いなく私で。
なぜ。こんなにも盛大なお出迎えが私を待っているのか。
そもそも顔見知りでもなんでもない、ただの他人なのに。
だけど挨拶を無視するなんて礼儀知らずもいいところ。
とりあえず、疑問形ながら挨拶を返した。
そうキラキラとした瞳で私に声をかけてきたのは、緑色のモヒカンをした不良君。・・・っえ、ちょっと待って。
何それ!今は令和の真っ只中。時代鎖誤みいいところだ。
自分がそんなふうに呼ばれること自体、寒い。
それに鞄なんて持ってもらわなくても、片手で余裕に持ち運べるのだ。
状況についていけない。
おろおろと1人戸惑っていると、
後ろから緩い声が聞こえた。
この声は・・・
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!