と言いながら、恐ろしく長い足を綺麗に組む。
あぁ、この人はほんとに。
いつもはゆるゆると、まるで雲のように自由なくせに。
彼が求めていた答えには、まだまだ不十分だろうけど。
ちら、とホソクを見れば、彼は満足そうに口角を上げた。
・・・あぁもう、この男はいつも騒がしい。
不機嫌そうに眉間をぎゅっと寄せているジョングク。
カルシウム不足なのかしら?と心配になってくる。
まぁでもここで言い返したら時間がいくらあっても足りない。
素直に質問に答えるのが賢い選択だと悟った。
してる。イヤ、してない?
確かに抜け出したのはモヤモヤしたからだけど。
でも直接的な理由はあの3人に苛立ったからだし。
その後に読んだ手紙に後押しされたのも理由、と言えば理由だけれど。
貴方、眉間の皺がすごいことになってるわよ、とは言わない方がいいだろう。
明らかに不機嫌。怒鳴り散らされるにきまってる。
なんて言おうかしら、と迷っていると。
ナムジュンの穏やかな声がした。
彼の膝の上にはいつもの黒いノートパソコン。
黒縁のメガネに画面が反射しているけど、なんのページを開いているかは分からなかった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。