呼び出し、と言われて思い浮かぶのはあのゴテゴテの化粧をした彼女達だけれど。
それを言っていいものなのか、正直迷う。
肩を持つ訳では無いけれど、彼女達を動かしていたのは彼らに対する好意で。
それを私が、"呼び出された"と伝えることによって、カタチが変わってしまうんじゃ?
屋上での記憶。
私を叩いた彼女は確かに名前を呼ばれていた。
何が起こるというのか。
私ごときが、ナムジュンの考えを見抜ける訳もなく。
案の定、叫んでしまうはめになった。
私の質問に彼はにっこりと笑う。怪しいほど、さわやかに。
絶対する!この人なら確実に!
たかだか男子高校生がこんな事を思わせるなんて!!
ある意味この人の将来が心配だわ・・・。
もうヤダ! この人ほんと怖いっ!!
口を頑なに閉ざす私に、ナムジュンは小さく溜息を吐いて左手の中指でメガネを押し上げる。
と切り出されて数分後。
誘導尋問よろしく、見事に色々と吐かされてしまった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。