ジミンの声で、下げていた頭をあげた。
彼の表情はとても複雑で。
謝罪とお礼を口にしたのはいいけれど、彼になんて言葉をかければいいか分からなかった。
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満足気に、ナムジュンはパソコンを閉じる。
なんて言うかもう、本気で敵に回したくない。
ソクジンの言葉にテヒョンが短く返事をする。
私がナムジュンに色々吐かされたのをテヒョンは目を閉じて黙って聞いていたけれど、何を思っていたかはわからない。
まぁ基本的にこの人達の思考回路は読めないのだけれど。
そう言って、ジョングクは私の腕をグッと掴んでソファーから引き上げる。
まだ、ちゃんと伝えてない。言わなきゃいけないこと。
今だけは、蔑ろにしちゃいけないときだ。
小さく息を吸う。
謝罪より、お礼の言葉を口にする方が難しいのだと、初めて知った。
深く、頭を下げる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。