第9話

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2021/05/01 06:04
『どうしよ?どうしよ?』

「わー!なんでこんな早起きなんだ?こんな時に限って!」


二人はパニックになって部屋の中で騒ぎまくる

部屋のドアの向こう側に昨日訪問してきたであろうメンバーの二人が
さっきからピンポンを押し続けている

今日はジョングクが出てくるまで押し続けるつもりらしい

もちろん出口はあのドアしかない





「ジョングガー!起きろー!!」


ガチャ


ジミンが部屋の外から叫んでいると、ドアが開いた

「お!」

中から眠そうに目をこするジョングクが出てきた

ドアの前にはジミンとジンがいた


「ジョングガ、起きたのか!よかった」


「ヒョン…何?今日朝用事ありましたか?」


「何もないけど、昨日ちゃんとお前の姿見えてないからちゃんと帰ってたか気になったんだよ」

ジンは答える
なんて優しいのだ
でも朝5時は早すぎし、今日に限っては余計なお世話だ


「大丈夫ですよ〜まだ寝たいから」

ジョングクはドアを閉めようとする



その時、ジミンはスルリとドアの隙間から部屋に入った

「!!!」


「せっかく早起きしたんだ!二度寝の前にここで朝ごはん食べよう」

ジミンは朝5時とは思えないテンション


「そうだな、どうせ早かれ遅かれ食べるし。俺もう食べれるよ?昨日の夕飯が早すぎてさ」

ジンも一緒になって部屋に入ってくる


「ヤー!ヒョンたち!朝の5時だよ!?俺はまだ眠いんだよ」

ジョングクは全然眠くないようなテンションで
二人の腕を持って侵入を阻止しようとする


「えー…じゃあベットで寝ときなよ。俺たちはリビングで朝食食べるわ」


「自分たちの部屋で食べてくださいよ!」


「今更戻るのめんどくさいじゃん」

二人は全くジョングクの声に聞く耳持たずでズンズン入っていく



さっきまであなたといた空間
そこにヒョン二人が入って行っていく


何も知らない二人はドカッとさっきまで
二人が見つめ合って座っていたソファーに座る

「ジョングギ何食べたい?」

ジンはルームサービスのメニュー表を開く


「…俺はいらないから本当に帰って、ヒョン〜」


「?何?そんなに今日不機嫌なのか?」

ジンは少し茶化すように言う


「不機嫌とかじゃなくて普通に考えてくださいよ〜朝5時だよ?」

ふと見るとジミンがいない


「あれ?ジミンヒョン…」

ジョングクはすぐさまベットルームの方に行ってみる
ジミンはベットに横になっていようとしていた


「ジミン氏ー!」

ジョングクはすぐにベットに行ってジミンの腕を掴む


「ヤーいいじゃん。ちょっと横になるぐらい」


「だったら自分の部屋で横になってくださいよ!」



「あれ?ジョングギ…」

ジミンは一瞬あれ?って顔をする

「香水か何か変えたの?」


「へ??」

「いつもより甘い香りが…女性用香水じゃない?」


やばい…本当にこのヒョンはあざとい上にめざとい…



「…お、俺いつもいろんな香水使ってるじゃない?昨日はこれだったんですよ」

ジョングクは冷静を装って返事をする



「そうなんだね?めっちゃいい匂いじゃん」

ジミンが枕に顔を埋める
さっきまであなたが寝ていた場所

そこにヒョンが体を預けているのが無性に嫌だと感じた

「ヒョン〜起きて。お願いだから」

ジョングクは腕を引っ張る


「痛いよ〜!何?どしたの?いつものお前じゃないみたい…」


ガタッ


ジミンは音のする方を向いた
ジョングクは目を大きくしたままジミンを見ている


「何?今の音」


「…さぁ?」


「今完全にクローゼットからしたよね?」


「なんで?そんなわけないじゃん」


「何か物でも落ちたのかな?」


「そ、そうですね。ヒョン」

ジミンは起き上がる


「ヒョンヒョン!物落ちただけだから気にしないで」


「戻した方がいいじゃん」


「いいよ!寝なよ!」


「何だよお前、今度は寝ろって…」

ジミンはジョングクの腕を擦り避けてクローゼットに手を開ける



「アンデー!」


ガチャ


「!!!!」

『!!!!』



クローゼットの中には人がいた


「ギャーーー!」

ジミンは思わず叫んだ


『キャー!!ごめんなさい!ごめんなさい!』

あなたは耳を塞ぎながら叫ぶ

ジョングクはそれを見て思わず
あなたの前に立ちはだかる


「ヒョン!これにはワケが…」

ジミンは驚きのあまり放心状態であなたを黙って見るだけだった

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