第10話

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2021/09/01 14:30

「ヒョン…ちゃんと説明させて」



ソファーに四人は集まっていた



「…これは他のメンバーも起こしてきた方がいい?」


ジミンはチラチラとあなたを見る


「そんなおおごとな事じゃないですよ」

ジョングクは答える


「おおごとでしょ?ホテルの部屋に女の子連れ込んでるんだよ?」

ジンは信じられないというように話す


「会社にバレたり、ファンの子たちに見られたらどうするんだよ?」

ジンに言葉ジョングクは俯く
何も言い返せない


ジミンはあなたを向く

「あの失礼ですが、ジョングクのファンとかでしょうか?」

少しジミンはあなたを睨みつける



『私は…』

「あなたは友達なんだ」

ジョングクの言葉に二人は目を見開く


「「と、友達!?」」

ジンとジミンは声を揃えて驚く



「お前、日本に友達いたの?しかも女の子の!?」

「どこで出会うんだよ!ネットか!?」

二人は驚きを隠せない
一般の友達がいることがそれほど珍しいことなのかとあなたは思わず思う


「ソンジュンヒョンっていう幼馴染がいるって話しましたよね?そこに行った時に出会ったんだ。半年前ぐらいに…」

ジョングクはチラっとあなたを見る
あなたもジョングクを見て目線が合う

ジョングクはごめんねというような表情にあなたの心はチクリとする


「昨日はここのホテルについてるレストランで一緒にご飯を食べたんだ…。でも俺がお酒を飲みすぎてトイレで倒れていたのをあなたが部屋まで運んでくれたんだ。彼女は帰ろうとしてたのに俺がワガママを言って引き止めて…」

ジョングクは真剣な顔でヒョン二人に話す

二人は黙ってジョングクの話を聞く



「何回も帰ろうとしてたのに俺は何度も引き止めて最終的に寝てしまったんだ。彼女はベットで寝て、俺はソファーで寝たよ。信じてくれ。そういう関係じゃないよ」

ジョングクの話にあなたも頷く


「…あなたさん、本当ですか?」

ジンはあなたに問う


『…はい。本当にただの友達なんです。ご迷惑おかけして本当にゴメンなさい』


「迷惑とかじゃないですよ」


すぐにジョングクがあなたの言葉に反応する

二人の様子を見てジンはフッと笑った


「わかった。二人のいうことを信じるよ。だたやり方が悪いよジョングギ。バレなかったらいいわけじゃないよ?なんかあったら会社にもあなたさんにも迷惑がかかるからね」


「…本当にごめんなさい」

ジョングクは素直に謝る

こういう部分があるのが
本当にジョングクらしい


「こういう時こそみんなで協力しあわないと。簡単ではないけど友達とご飯行くぐらい協力すれば行けるんだから」

ジミンは目を細くして笑って
ジョングクの肩に腕を回す

「ヒョン…」


「本当に友達だよね?w」

ジンはニヤついてあなたを見る


『友達です!ただの友達!!』

あなたは即答する


「ヤー…即答すぎるじゃないですか」

ジョングクは小声で呟いた

それを聞いたジミンは笑いを堪えた







〜〜〜〜





『じゃあ本当ありがとう!楽しかったよ!』

あなたはジンとジミンに挨拶を済ませて
荷物を持ってホテルのドアの前でジョングクに最後の挨拶をした



「こちらこそ本当ありがとう。ずっとワガママ言ってごめんなさい」

ジョングクは少し落ち込んだように言う
ヒョンたちに怒られて少ししょんぼりしているようだ

そんな姿さえ可愛い



『wwいいよ!可愛いから。仕事頑張ってね』

可愛い…?
あなたにそんなこと言われて身体が熱くなる


「あなたも…。身体に気をつけてね」

『ありがとう。ジョングクもね』



本当はあなたを抱きしめたい
ハグしてサヨナラしたいけど

後ろから隠れながら見ているヒョン2人の視線が痛い



あなたはドアを開けて振り返る

『じゃあね!』

あなたは言葉を残すと部屋から出て行ってしまった

きっと廊下で人にこの部屋から出てると見られてはいけないと思ったのか
そそくさに出て行ってしまった







「「ジョングガー!!!」」

ドアが閉まった瞬間
二人のヒョンがジョングクに抱きついた

「!!!」

「おいー!お前いつの間にそんな子が出来てるんだよ!」

「ヒョンたちの知らないところで!お前〜〜!」

二人はジョングクの頭を荒く撫でたりハグしたりする
表情はなんだか嬉しそうだ

「なになに!?」

ジョングクは状況がまだわかっていない

「俺たちに隠し事なんて〜〜しかもあんな可愛い子と」

「年上だよね?あなたさんって」

ジミンは嬉しそうに笑う


「…うん。ジンヒョンと同じ歳」

「わぁー俺と同じなの?なんか若く見えるね」

「やっぱお前は年上が相性いんだよ!」

二人のテンションはどんどん上がっていく

「ヒョン〜俺たちそんな関係じゃないんだよ〜」


「そんな関係ってなんだよ?悪いことじゃないだろ?」

ジンは言う

「俺は仕事以外の繋がりで親しい友達がいることは正直嬉しかったよ」

ジンは長男らしい言葉を発する

「いやー親しい女友達があんな綺麗とはね〜。韓国語もできるし、ファンだから近づいてきてるわけじゃないし…すごくいいと思う」

ジミンはニヤニヤして嬉しそうだ


「…うん。そうなんだ。すごくいい人なんだ。あなたは」


あぁ…
さすがヒョンたちだ

今は恥ずかしい気持ちでいっぱいだけど
こんな風に考えて受け入れてくれて
すごく感謝してる

俺があなたをホテルの部屋に入れたことで
ヒョンたちや会社やARMYたちに迷惑をかけるところだったのに
こうやって言ってくれてる
感謝しかないし、もう心配かけないようにしないと…



「ジョングガー!」

目の前のドアの前でメンバーのホソクの声がする

ジョングクは「え?」という顔で二人を見る


「これはBTS問題だから一応他のメンバーにもメッセージ入れといた。朝だから起きてる人しか見てないと思うけど」

ジミンはニコッと笑う

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