第12話

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2022/01/24 05:50
あなたは早朝家についてシャワーを浴びて速攻ベットで爆睡した

今日の予定は午後からジムに行こうと思っていたが
なんだかそんな気分じゃなくなっていた

今日はゆっくり家で過ごそう…



そんなことを思っていたら
お昼過ぎに電話で起こされた


ジョングクだ…



通話ボタンをタップしようと思ったが手が止まった


何を話そう…

私がジョングクへの気持ちが出てきている今、何を話したらいい?

正直、前みたいに気軽に出てダラダラ友達のように話す気にならない


どうしよう…


『あ…』


そんなことを思っていると呼び出しが切れてしまった

かけ直した方がいいのかな?


そう思ったらLINEのメッセージが届いた

【寝てるかな?今日の夜の便で韓国帰ります。本当にあなたに会えてよかった。帰る前に声だけでも聞きたかったから電話したよ。タイミングあれば電話して】

ジョングクのメッセージに胸がギュッとなる


声が聞きたかったなんて
気軽に言わないでよ…

少しでも期待してしまう気持ちが出てしまって辛くなる

夜の便だったら一瞬でも会えるかもとか思ってしまった自分もいた



でも彼は…
簡単には会えないし、空港に見送りなんて…

彼は一般人じゃないんだもん…
きっと周りには仕事の関係者だらけだ


あなたはメッセージを見つめて携帯を置き、再びベットの中に潜り込んだ






〜〜〜〜




「うーーーん」


日本のファッション誌の取材と撮影を終えて控え室でいた

メンバーみんなでリラックスしている時
ジョングクは自分のスマホを見て顔をしかめた


「ジョングギ、お前寝てないんだろ?少しだけでも寝ときなよ」

ホソクはジョングクの横にきて言う



「… あなた、電話しても出ないからメッセージ送ったんだけど、既読はついてるのに返事がないんだ…」

ジョングクは不安そうな顔で言う

落ち込んでる姿さえ可愛いと隣でジミンは思う

「午後仕事だってジョングク言ってたから、 あなたさん遠慮してるんだよ」

「…そうかなぁ」

「そういう人なんじゃないの?ジョングギ、仕事中はあまり気にしない方がいいぞ?お前顔にすぐ出るから」

ユンギが入ってくる
本当にそうだ!って近くにいたメンバーは頷く


「わかりました…」

ジョングクはそう言って自分のバッグにスマホを入れて見えないようにした




〜〜〜〜



あなた は目覚めると夕方近くになっていた

起きてすぐジョングクのメッセージを見返す


これで返事がないのは、あまりにも不自然だしジョングクは何も悪くないのに気分を害させたくない

あなたは深呼吸をして通話ボタンを押した




〜〜〜〜




「!!!」

ホテルの部屋で荷物をまとめているとスマホが鳴り出した

画面を見るとあなたの名前が…


「はい!」

ジョングクはすぐさま電話に出た



『…ジョングク?電話遅くなってごめんね?』

聴きたかった声が耳に響く



「全然大丈夫だよ!電話ありがとう」


『もう空港?』

「いや今からホテル出るところです」


『…そっか。』

「…」

『…』


少し二人の間に沈黙が流れる


あれ?
あなたの声が少し元気がないように聞こえる



「 あなた、昨日は本当にありがとう」


『こちらこそ、時間作ってくれてありがとうね』


「あと…色々迷惑かけてごめん」


『…迷惑!?何が?』

あなたはびっくりするように聞き返す


「酔っ払って部屋に送ってもらったり、ワガママ付き合ってくれたり、メンバーに隠れるためにクローゼットに隠したり…」

ジョングクの言葉にあなたは思わず吹き出す
そうやって言葉を並べると、かなりいろんな事があったなと思い返す


『…私は凄く楽しかったよ?良いエピソードができたと思ってる』
「…ほんとに?」

あなたの言葉にジョングクは聞き返す


『それに、ジンさんとジミンさんだけしか会えなかったけど、あんな風にまっすぐジョングクを守ろうとしてくれるメンバーたちを見れて私感動した。素敵な絆で繋がってるだなって目の前で見せてもらったよ』

あなたは笑うように話す

「あなた…」



ジョングクと今こうやって話してて、どんどん気持ちが高まる

でも今言ったように、ジョングクの揺るぎないチームに迷惑かけるなんて出来ない


今日の朝まで一緒にいたのに、もう会いたくなってる自分がいるの

こんな気持ちを思うなんてダメなのに…



「あなた…」

私の耳にジョングクの声が響く

「会いたい…」


ジョングクの切ないような声が届く


『…』


「朝まで一緒に居てくれたのに、もう会いたんだ。あなた」


『…っ』


今私が思っていた事を
ジョングクは聞いたことない細い声で話していた



「韓国に戻る前に一目会いたいんだよ…。でも、そんなの無理なのはわかってるんだけど、今俺が思ってる気持ちを伝えくて」

ジョングクが言葉を絞り出して話してるのが伝わる
この人はこんな真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる

彼には気になる人がいる
私へのこの言葉が特別なものじゃないって分かってても

私はこの言葉が嬉しく思ってしまう

私…自分の気持ちがわかってきたよ



『…何時の飛行機?』


「え?」





『羽田空港だよね?』


気がついたらそんなことを口走っていた

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