第25話

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2022/01/29 04:50



「最近、ここの家は来れてなかったから片付けれてないかも」

ジョングクはそう言って大きな門のセキュリティを解除する


ユンギに挨拶をしてあなたが車から降ろされた場所は
ジョングクの家だった


見るからに豪邸な一軒家…
まさに韓国ドラマの金持ちの家って感じ

…って、え?
家?
なんでジョングクの家に…?


さっきまでの酔いが一気に冷めそうだ

あなたは敷地へ入る門の前で踏みとどまる



ジョングクはあなたの様子に気づく

「ん?どうした?」



『…なんでジョングクの家に?』 


「梨泰院にも家買っててよかったわ」

ジョングクは冗談を言うように笑う



『…私はホテルに…』


「ヌナ!」

ジョングクはあなたの手を握る




「こんな状態で帰すわけないじゃん。ちゃんと話し合おう」

ジョングクはそう言ってあなたの手を引いて家の中に入っていく












〜〜〜〜











「え!ジョングク、あなたさんと会えたの?」

メンバーたちはホソクの家に集合していた
ユンギの話を聞いてジンとジミンは目を見開いた

「あなたさん想像と違って、女性らしくてか弱い感じだったよ」

ユンギはそう言う
ユンギの言葉にジンとジミンは顔を見合わせる

「え!俺たちには当たり強かったよね?」

「めちゃくちゃ喧嘩越しだったよね?w」

二人は笑いながら言う


「それもあなたさんなんだね。面白い人だ。あー早く会ってみたい」

テヒョンはみんなの話を聞いてニヤニヤする


「きっと明日には会わせてくれるよ、ジョングクなら」

ナムジュンはそう言って微笑んだ




〜〜〜〜



『…この家、どんだけ大きいのよ』

ジョングクに手を引かれて
家の玄関までの道のりを歩きながらあなたは呟く

「さっきみたいに抱きかかえて運んであげようか?」

ジョングクは笑う

『ヤー…』

あなたは呆れたようにツッコむ



家の中に入ると、綺麗で大きなリビングが二人を迎える

だけど家具は少なくて、シックでシンプルで
ジョングクの普段着のように黒で統一している

「座ってて」


ジョングクはあなたの手を引いてソファーに連れていく
あなたは言われるがままソファーに座る

「まだ水飲む?それともコーヒーとかがいい?」


ジョングクはキッチンに向かう

『あ…じゃあコーヒーを』

ジョングクはコーヒーメーカーを起動させる
そして、両手にマグカップを持って1つをあなたに渡す



『ありがとう…』

ジョングクはそのままあなたの隣に座る

「何から話せばいいかな…」



ジョングクはそう言ってメガネを外す

『…』




「じゃあまず、何で高台に乗って踊ってたの?w」


ジョングクの言葉にあなたは吹き出す


『まずそこなの?w』

ジョングクは嬉しそうにコーヒーを飲む



「やっと笑ってくれた…」


『…』


「もう俺、笑ったあなたに会えないと思ってたから…」


あなたはコーヒーを飲む


「あなたはまたすっぴんで出歩いてるね?w」


ジョングクの言葉にあなたはハッとする

そうだ…
メイクをする気になれなくてご飯食べに行って
その後クラブにも言ってたんだ…

よく中に入れてくれたな…



「あなたは化粧しない方が綺麗だもんな」


『嘘ばっかり…』



「嘘ついてるのはあなたでしょ?」

ジョングクの言葉にあなたは顔を上げる




「あなた…俺のこと好きじゃない?」

ジョングクはテーブルにコーヒーを置きながら言う



『…』



ジョングクはあなたに向き合う



「俺はあなたが好きだ」

ジョングクはまっすぐあなたを見つめる



その綺麗で芯の通った瞳から逃れられない気がした



「あなたと知り合ってから会えない日もずっとあなたは心の中にいた。いくらあなたに否定されても、この気持ちは変わらない」


『ジョングギ…』




「あなたの本当の気持ちを教えて?」


あなたは静かにコーヒーをテーブルに置いた


もう彼に嘘はつきたくない
あんな後悔するのは嫌だ






『ジョングクのこと…好きなじゃないわけない…』


「…」


『私もジョングクのこと好き…大好きだよ…』

ジョングクは少し目を大きくして、ニコッと笑う



「ほんとに…?」





『…でもね…私、付き合うなんて考えれなくて…だって私は一般人でジョングクは…』

「あなた」

ジョングクはあなたを引き込んで抱きしめる




『!!』

「あなたは俺のこと考えてくれて離れようとしたんだね」

ジョングクはそう言ってあなたの頭を優しく撫でる


「あんな辛いこと言わせてごめんね」


この子はなんだろう
なんでもお見通しなのだろうか

私が言葉にしなくても
どこかで分かってくれてたのかな

分からなくても
私のことを信じてくれてたのかな


嬉しくなってあなたの目にはまた涙が浮かぶ
一気に肩の力が抜けていく気がした


『…っ』

あなたは思いっきりジョングクを抱きしめ返す
ジョングクはあなたの頭を優しく撫でる


『なんでジョングクが謝るのよ、、、傷つけてごめんなさい』

あなたの言葉にジョングクは首を振る



「決心までしてくれたのに、会いに行って悪かった…止められなくて」

ジョングクの言葉にあなたは首を振る




「でも…止めなくて良かった。本当に」

ジョングクは腕の力は強くなる
それと同時にあなたはハッとする


『あ!待って!私クラブ行ってきて汗かいてるんだった!』

あなたはジョングクの体を引き離そうとする
しかし、体は全然動かない


「ヤー…。何言ってんだよ」

『ヤダヤダ!汗かいたもん!髪の毛だってお酒くさいはずだし』


「なんでヌナ…この良い雰囲気なのに…そういうところだけ女子だよね」

ジョングクは呆れたように笑った










「…じゃあ・・・俺の彼女になってくれるってことだよね?」





ジョングクは腕の中にいるあなたを覗き込む



あなたは少し目を大きくする


『うん・・・私で良かれば・・・』




「やったーーー!!」



ジョングクは急に大きな声で喜ぶ



あなたがびっくりして肩がビクッとなる







「俺、あなたの事、本当に大事にするから」





ジョングクは満面の笑みで優しくあなたの頬に触れる

あなたはその手を握る



『…ありがとう。私もジョングクのこと幸せにしたい』





あなたの言葉にジョングクは目を少し伏せる





「そんなこと言わないでよ…嬉しすぎる…」



目が合わなくなった彼の目は少し濡れているように見えた







『…泣いてるの?』





「そんなわけないじゃん」





言葉とは裏腹にジョングクの目には涙が浮かぶ



それを見てあなたはもらい泣きしてしまいそうだ







『ジョングギ、可愛すぎるよ…』



あなたは自分の涙を拭う





「だって…想い合ってるはずだって信じてたけど…実際言葉を聞くと…嬉しすぎて」





こうやってみると

本当に小さい男の子だ



周りの人が大事に大事に育ててきて

彼自身も努力を死ぬほどしてきて真っすぐ育ってきたんだな





そんな彼が私を選んでくれたのは

未だに信じられないけど



私の持ってるすべてで

彼をもっと幸せにしていきたい・・・











「俺、あなたとキスがしたい」





あなたはジョングクの言葉に顔を上げる

綺麗な涙を拭って何を言うかと思えば…



さっきまでの幼くて儚い男の子が

急に茶目っ気のある余裕ある男の子の顔になっていた





あなたは両手で小さなジョングクの顔をギュッと掴んで

すぐ近くの目の前でチュッと音を立ててキスをする真似をする





ジョングクは驚いた顔をする





『はい!エアーポポ』



あなたはいたずらな笑顔になる





ジョングクはやったな!という顔であなたの顔を両手で包み返して

唇を突き出して無理矢理キスをしようとする



あなたは笑いながら必死に抵抗する





『やめて~~!!WW』



「なんで嫌なんだよ!!俺の事好きなんだろ!WW」



「こんなキスやだ~~!!WWW』





そのままあなたの方にソファーの上で倒れ込む



その勢いを使ってジョングクは額に優しくキスをする





『~~~///』



あなたは顔を少し赤くして額を抑える







「ヌナ、本当に年上?反応が可愛いすぎなだけど」



ジョングクはあなたの髪をすくい取って自分の口に当てる





『ヤー!そうやって年上をからかって!』





「これからはもう歳なんて関係ないよ?あなたは俺だけのものだから」





ジョングクはそういって

優しく深くあなたの唇にキスを落とした















【第1章完】

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